2018 Fiscal Year Annual Research Report
A study of communication between second language speakers of Japanese
Project/Area Number |
16K13238
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
大津 友美 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 准教授 (20437073)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 第二言語としての日本語 / 談話分析 / 会話 / 留学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本語を第二言語として話す話者(日本語非母語話者)(以下はL2話者)同士のコミュニケーションの実態を明らかにすることを目的としている。従来、日本語を第一言語として話す話者(L1話者)同士の会話、またはL1話者とL2話者の間の会話(異文化間会話、接触場面会話)が主な研究対象とされてきた。しかし、在留外国人数は依然として増えつつあり、日本語は、もはや日本語母語話者だけのものではなくなっていると言えるであろう。そこで、本研究では、日本語L2話者同士のコミュニケーションの中でも、日本の大学で学ぶ留学生同士の相互行為をデータとし、その特徴を分析・考察している。 平成30年度には、3種類の調査を行なった。まず、平成29年度に続き、学習場面での留学生同士のディスカッションの分析を行なった。ブレーンストーミング型の話し合いの中でのやりとりの特徴、特に道具(紙)の使用が話し合いの仕方にどのような影響を与えるかを明らかにした。 次に、友人同士の二者間会話(雑談)20組分の録音・録画データを分析した。L2話者同士の会話の中では、相手の話の中に意味のわからない言葉がある時や自分の言いたいことを表現するための言葉を知らない時などに、それを調べる目的で、スマートフォンが使われることがある。会話を中断させないように、どうスマートフォンの使用と会話を両立させているかを録画データの分析によって調査した。また、会話中に英語への切り替えがあっても、特に会話相手を混乱させることなくスムーズに会話が進んでいくのはなぜかを明らかにするために、切り替えが起きるコンテクストとその言語的・非言語的特徴についての分析を行なった。 L2話者同士の会話との比較の目的で、L1話者とL2話者による会話の分析も行った。L1話者がL2話者の質問に応える場面に着目し、会話をスムーズに進めていくための行動の一側面を明らかにした。
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