2017 Fiscal Year Annual Research Report
Conditions of retention and attrition of linguistic heritage: mathematical model analyses and field investigations
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16K13251
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Research Institution | Akashi National College of Technology |
Principal Investigator |
本間 哲也 明石工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (50570959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箱崎 雄子 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (50351490)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 言語継承 / 少数言語 / 確率過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.計画:平成28年度は,数理モデル分析,およびケーススタディの「材料」を揃えることを大きな目標に据えた。具体的には,(1)モデル分析に用いる変数の選定や,(2)確率過程モデルやゲーム理論を用いた数理モデルの構築,(3)先行実証研究のメタ分析,(4)移民等への予備的なインタビューなどを通じた言語継承成否のストーリー収集を計画。平成29年度は,(5)移民等へのインタビュー等を通じた言語継承成否のストーリー収集,(6) (4)(5)の事例による(1)のモデルの検証・彫琢を計画した。
2.実績:数理モデル分析としては,言語継承を確率事象と仮定した場合のマルコフ連鎖的な世代継承のモデル化とシミュレーションを試みている。数理的モデルの言語継承への適用は稀少。言語継承成否のケースおよびストーリー収集の取り組みとしては,愛知県のポルトガル語継承活動の現状を把握する目的で刈谷市の語学指導員にインタビューを行い,移民社会のマクロデータ,学習・教育対象者の構成,学習対象者の家庭環境,および学習者個人の言語継承に対する態度等のデータを収集した。沖縄県では琉球諸語継承(復興活動を含む)について調査。具体的には,ウチナーグチ芝居や島ことば絵本を通した言語継承の取り組み,奄美・沖縄・先島における言語復興教育の現状に関する情報を収集した。これにより,現実に即した継承成功パターンのモデル化に目途がついた。上記に並行して,数理モデルが現実から乖離することを予防するため,言語継承や言語習得の専門家等に助言を仰ぎ,言語継承モデルの妥当性を検証した。
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