2018 Fiscal Year Annual Research Report
Design, Teaching Method, and Evaluation of Intercultural Communication Activities for Elementary School English Education
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16K13255
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
佐々木 雅子 (島崎雅子) 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (00292392)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 異文化間コミュニケーション能力 / 小学校英語 / 異文化交流 / 第二言語習得 / 授業デザイン / 絵本 / タスク / 自律的外国語学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、本研究の目的である「異文化交流と言語習得が表裏一体となった授業作り」について研究を進めた。異文化間コミュニケーションを「言語能力をも伸ばす要素を兼ね備える場」と簡略化して定義した上で、実践的研究を次の3つの領域で進めた。 1つ目は、Skype接続による合同授業のデザインと実施である。6月末からオーストラリアのパースにあるBeechboro Christian Schoolと、「ポスおばあちゃんのまほう」という絵本を題材に、言語習得と異文化交流を促進する合同授業のデザインをメールにより進めた。9月中旬にオーストラリア側の事情により休止状態となったが、2019年度に合同授業を実現する予定である。2点目は、絵本を用いた異文化交流を含むタスクのデザインである。約3ヶ月にわたってオーストラリアの小学校と絵本を活用した異文化交流による第二言語習得の授業のデザインを充実した形で進めたことに手ごたえを実感し、国立国会図書館国際子ども図書館の児童書研究資料室や宮城県図書館を中心に、絵本専門書店や日本国際児童図書評議会(JBBY)等から、外国で刊行された絵本と日本の絵本についての資料収集を行い、タスクに適切な絵本の選書を行いタスクのデザインを試みた。3点目は、地域と連携した短期型異文化交流である。1泊2日の事業の中で、iPadを用いたフィリピンの高校生との遠隔交流を実施した。ICTを用いた地域に根差す異文化交流であったが、充実した実践となるにはきめ細やかな工夫とデザインが必要であった。 異文化交流による第二言語習得の実現は、地球市民として育つことを期待される小学生にとって重要であり、更なる研究の発展が望まれる。「自律的外国語学習へとつながるコミュニケーションの場」を創出し実効性を目指した本研究は、課題を明確にできた点で意義を持ち、今後の研究への確かな足掛かりを築いたといえる。
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