2016 Fiscal Year Research-status Report
日中韓の英語教科書に見る女性表象―男女共同参画社会を目指した英語教材のあり方
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16K13261
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
石川 有香 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40341226)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 教科書 / 日中韓 / ジェンダー / データーベース |
Outline of Annual Research Achievements |
英語教育の目的のひとつが,異なる立場の人々への理解を深めることであるならば,身近な他者である異性への理解,すなわち,男女共同参画社会への貢献が,これからの英語教育に強く求められる。本研究では,日本・中国・韓国の中学校・高校で使用されている英語教科書を調査し,(1)manや woman などの性特定表現の使用状況,(2)女性/男性に関する題材選定状況,(3)女性/男性を含む写真や挿絵の使用状況を分析し,教科書におけるジェンダー表象を明らかにし,さらに,同時開発する検索システムにより,言語・題材・図像の 3 観点から検索可能な、日中韓英語教科書ジェンダー表象検索システ(GETJACK)を構築することを目指す。 本研究で構築予定のGETJACKは,世界に類がなく,完成すれば,英語教科書分析研究の画期的な資料となるだけでなく,今後の英語教科書作成やジェンダーに配慮した授業研究の有益な資料となるため,社会的にも極めて重要性が高いと言える。 平成28年度には,1)教科書選定と電子化:日本・中国・韓国の中学校・高校用教科書の選定,電子化作業の後,順次,DB化のための準備を行い,2)ジェンダー表象基準の策定とGDBの構築:ジェンダー表象と学校教育および教材に関する研究を行い,Gender-FreeとGender-Fairの基準をもとに,ジェンダー表象基準を設定し,3)GDBとオンライン検索システムのデザイン,インターフェースの検討,構築準備を行った。また,同時に,関連学会に参加し,資料収集を行い,内外の研究協力者から助言を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度には,1)教科書選定と電子化が進み,DB化のための準備を行っている,2)ジェンダー表象基準の策定とGDBの構築:ジェンダー表象と学校教育および教材に関する研究を行い,Gender-FreeとGender-Fairの基準をもとに,ジェンダー表象基準を設定した,3)GDBとオンライン検索システムのデザイン,インターフェースの検討,構築準備を行った。また,同時に,関連学会に参加し,資料収集を行い,内外の研究協力者から助言を得た。ただし,中国の教科書については,入手できないものがあり,全体的な電子化作業が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き,ジェンダー表象と学校教育および教材の研究,教科書のジェンダー分析作業を行う。また,教材のDB化と,GBD登録の本格実施を行う。GDB検索システムについては,テキスト・題材・挿絵の 3 観点で,それぞれキーワード検索・詳細表示が可能なオンライン検索システムの開発を目指す。関連学会に積極的に参加し,内外の研究者と意見交換を行い,研究協力者からの助言を得る。
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Causes of Carryover |
28年度は,先方の旅費負担などがあったため,旅費が必要ではなかった。また,業者に依頼した作業については,まだ,検討段階であるため支払いが発生していない。29年度は,学会発表を行う予定があり,学会への旅費,業者への支払い,データベース試用の費用などが見込まれる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度は,海外で学会発表を行う予定があり,学会への旅費,データベース構築に関する業者への支払い,データベース試用・改良の諸費用などが見込まれる。
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