2018 Fiscal Year Research-status Report
日中韓の英語教科書に見る女性表象―男女共同参画社会を目指した英語教材のあり方
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16K13261
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
石川 有香 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40341226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相川 真佐夫 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (60290467)
原 隆幸 鹿児島大学, 総合科学域総合教育学系, 准教授 (40572227)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ジェンダー / 教科書 / データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,英語教育を通して,異なる立場の人々への理解を深めることを目的とし,身近な他者である異性への理解,すなわち,男女共同参画社会の構築に対して,積極的に貢献していこうとする態度を養うものである。そのため,本研究では,日本・中国・韓国の中学高校で使用されている英語教科書を調査し,言語・題材・図像の3観点から検索可能な、日中韓英語教科書ジェンダー表象検索システム (GETJACK)を構築することを目指している。 2018年度は,研究成果の一部を発表し,内外の研究者と広く意見交換を行った。日本の中学校英語教科書の分析に関する研究発表(「中学校英語教科書に描かれた女性像-パイロット・スタディ-」など)に加え,日本の教科書における女性表象における課題に関する研究発表(Gender images represented in English textbooks in Japanなど)に加え,大学英語教育学会東アジア英語教育研究会にて,日本と台湾の英語教員を取り巻く状況と教科書における男女の表象に関する比較および,東アジアの英語教科書における比較研究を行うための枠組みに関して,シンポジウム発表(「ジェンダーの観点から見た東アジアの英語教科書について-男女の役割に注目して-」)を行った。 同時に,大学生・大学院生の協力を得て,データベース化の作業も続けている。データベース化の枠組みについては,男女のみではなく,男女が特定されない場合についても調査を行い,さらに精緻化する必要があるという観点から,引き続きデータ構築の作業を行うことになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初,男女の性役割に関するデータベースを作成する計画であったが,研究分担者および内外の研究者との議論の結果,男女を明示しているデータだけではなく,男女の区別が明確にされていない場合のデータも,データベースに入れ込むべきであるとの結論に達した。そのため,さらに精緻化したデータの分析を行うこととなり,データの整理に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在,当初よりも詳しい枠組みを設定し,それに沿ったデータ分析を行っている。今後の研究方針としては,現在遂行中の,詳細なデータ分析の継続とともに,1)こうした膨大なデータについて,比較研究を行う基準を設定し,2)データ検索に関する手引きの整理を行い,3)データ検索の試行を行い,検索方法にさらに改善を加える必要があるかどうかについての評価が不可欠になると考える。
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Causes of Carryover |
当初,男女の表象の調査を予定していたが,より精緻化したデータの分析を行うことになったために,データ分析に時間がかかり,謝金の予定支出がずれ込んでいる。また,成果発表のための旅費の使用が残っている。 今後は,新しい枠組みの下で,引き続きデータの分析を行い,順次成果発表を行う計画である。
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Research Products
(15 results)