2019 Fiscal Year Annual Research Report
Teaching Object Relative Clauses and their Related Constructions: Contribution of Theoretical Linguistics to English Pedagogy
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16K13266
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Research Institution | Miyagi Gakuin Women's University |
Principal Investigator |
遊佐 典昭 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (40182670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 情浩 京都女子大学, 文学部, 准教授 (70513852)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 介在効果 / 目的語関係節 / 短期記憶 / 漸増的文処理 / 類似性に基づく干渉 / 主語繰り上げ構文 / 母語からの転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究最終年度の今年度は、昨年度執筆しアクセプトされた目的語関係節の指導法に関する論文(「目的語関係節の指導案ー言語理論・言語獲得・文処理研究の観点から」を、校正の段階で教員向けに修正し9月に出版した。この論文では、目的格関係代名詞の獲得の困難さを、「漸増的文処理」「短期記憶」「類似性に基づく干渉」の観点から考察した。目的語関係節を実際のコミュニケーションの場で使えるように指導するためには、学習者がフィラーと空所の依存関係をリアルタイムで構築する必要がある。このために、以下の指導法を提案した。まず、関係節内の主語に定名詞句が生じる文(The man that the senator criticized ____ disliked the editor)が多くの文法書で利用されているが、まずは主語位置に人称代名詞を用いた文(The man that you criticized ____ disliked the editor)を使用して反復練習をする。その際に、関係節の前に、その代名詞がトピックとなるような文脈を与える。代名詞を用いた目的語関係節の反復練習で成果がでたら、次に、目的語関係節内の主語が定名詞句の文を用いる。つまり、介在効果がなく言語処理の容易な文を最初に提示し、その後に介在効果が関与する複雑な文を提示するという指導法を提案した。 介在効果が関連する構文としては、John seems to Mary to be happyのような経験者句を含む主語繰り上げ構文 (subject raising construction)をとりあげた。この構文は、日本人英語学習には獲得が困難であることが明らかになった。その原因としては、普遍的な介在効果の結果ではなく、日本人英語学習者は英語の主語の繰り上げが困難で、そのために主語を表層の位置に基底生成することを明らかにした。
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Research Products
(8 results)
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[Book] 言語認知脳科学入門2019
Author(s)
小泉政利、金情浩、曺永湖
Total Pages
196 (担当 145-190)
Publisher
shinasa
ISBN
9788983963475