2016 Fiscal Year Research-status Report
関与負荷仮説の検証:語彙学習タスクにおける心的負荷が記憶保持におよぼす影響
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16K13267
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
椿 まゆみ 文京学院大学, 外国語学部, 教授 (70369437)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 関与負荷仮説 / 語彙学習 / Graphic Organizer / 心的負荷 / 混合研究法 / 3種類の語彙測定 / モチベーション / 協同学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究は、語彙学習を認知およぶ感情面で取り上げた関与負荷仮説の検証を行う。関与負荷仮説とは、認知および感情面に由来する心的負荷が高ければ高いほど、記憶保持に役立つとする仮説であり、語彙学習を認知およぶ感情面の両方から数値化した形で捉えた画期的な考えである。 Hulstijn&Laufer(2001)が最初の実験を行って以来、5件以上の検証実験が行われているが、いまだその仮説の検証はされていないだけでなく、研究手法に疑問が残る。本研究は、その検証を、今まで行われた研究以上に緻密に行うことが目的の1つである。している。まずは、学習成果を混合研究法で質および量的に結果を測定していく。また、負荷を比較的容易に変えることができ、学習者の課題到達のモチベーションが高く、実践では有効活用されているテキストと文字の両方を使ったGraphic Organizersを実験教材とした。以上に加えて、語彙学習を、Multiple Choiceテスト2種類および日本語での意味の確認に測定している。 現在のところ、元の研究である博士論文の研究とどのように変えるかの検討を行っているが、当初の予定より時間がかかっている。具体的には、研究デザインの確認や語彙学習測定の目標語彙の検討、英語語彙知識検討、共同学習の成果の測定であり、文献を中心にすすめている。研究デザインでは、元の研究のようにラテン・スクエアを使った場合、研究結果を得にくいので、他のデザインを探している。目標言語の選択や数の検討も行っている。私の博士論文では、また、実験に必要な研究参加者のレベルについてどのレベルにするか、考えている。この研究のもとになっている私の博士論文では英語上級者を対象としたが、今回は参加者のレベルは決定していない。このように研究の準備にかなりの時間をかけて慎重な研究をすすめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
一度行った研究の改善のための研究であるが、自身が思うより時間がかかっている。実験教材、研究デザイン、結果の分析手法など、全ての面でかなりの準備がかかることがわかった。予期しなかったが、校務や教育の負担で体調を崩しただけでなく、校務の関係でのトラブル、親しい同僚の病気など、心的ダメージを受けたことも要因である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、昨年行う予定だったことを含めて行う。特に大切なのは、文献研究や他の研究者のアドバイスにより、概念の理解を深め、手法を検討することである。文献研究では、語彙知識、モチベーションの種類の概念の検討、協同学習に関する研究が必要となる。また、研究手法としては、どのように混合研究法により、質的研究と量的研究を行うが、特に質的研究についてどうするか考えていきたい。また、量的研究では統計について理解を深める。量的およぶ質的研究のソフトを使うスキルを講習や文献などで高める必要があるとわかった。具体的な決定課題としては、研究参加者や目標語彙の選定を行う。 校務については、自身の時間管理の問題を検討している。研究の手順やなすべきことを少しでもクリアにして、それを達成するように努力をしている。
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Causes of Carryover |
前に行った研究改善策に終われ、研究がなかなか進まなかった。文献研究などで精一杯で、人的な補助(アドバイスや研究補助)にお金を使う機会がなかった。学会等での情報収集や研究の一部発表やについてに時間がかかったからである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
Tsubaki(2012)の研究を全般的に改良するため、文献研究や講習により、研究参加者、研究教材、手順、分析など全てにわたって、細部までの検討を行う。 学会等での情報収集およぶ研究の一部発表は引き続き行うため、旅費が必要となる。また、専門家のアドバイスを受けたり、研究教材の準備が必要となる、謝金や研究補助の必要となる。量的研究のための統計ソフトのサポート契約や統計の講習および質的研究の統計ソフト購入やその講習などを中心に研究費を使う予定である。
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Research Products
(1 results)