2017 Fiscal Year Research-status Report
グローバル人材に必要な能力の構成要素の分析とそれに基づく評価ツール作成の試み
Project/Area Number |
16K13268
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松本 佳穂子 東海大学, 国際教育センター, 教授 (30349427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 俊彦 東京福祉大学, 教育学部, 准教授 (20327290)
加藤 由樹 相模女子大学, 学芸学部, 准教授 (70406734)
加藤 尚吾 東京女子大学, 現代教養学部, 准教授 (80406735)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | グローバル人材 / 構成要素分析 / 評価ツール開発 / 実証的ニーズ検証 / グローバル市民教育 / 異文化間能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的である(1)グローバル人材に必須とされる要素の抽出と検証、及び(2)それを測定する評価ツールの開発のため以下の4点を実施した。
1.1年目に作成した校正要素表(指標案)を基に2種類の評価ツール(エッセイ・テストとCan-doチェックリスト)を完成した。その際、テストで測定できる要素とチェックリストになじむものとを分けたが、いくつかの要素は実地検証後の結果を見たいため、両方に含ませるようにした。 2.それぞれの評価ツールを学生約200名、社会人約100名に対して実施し、テスティング理論に基づいて妥当性・信頼性・実現可能性を分析・検証した。学生のチェックリスト評価に関しては、彼らを教える教師の客観評価と照らし合わせて評価傾向が合致しない場合は項目自体に問題がないかを検証した。社会人に関しても可能な限り、上司の評価と比較しての検証を行った。これらの過程を経て、問題のある項目(要素)については内容を修正・調整し、エッセイ・テストとチェック・リスト両方に含ませた要素については、どちらに含ませるべきかを検討した。 3.修正した2種類の評価ツールについて、最終的検証に向けてヨーロッパと北米の専門家9名にフィードバック及び助言を頂いた。 4.来年度の最終実験のために、これまでの分析結果及び専門家の助言に基づいて、学生の場合は専攻、社会人の場合は職種・職位によってあまり必要性がないと思われる周縁的な項目を削除した簡易版を7種類用意した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定通りに進行しているが、社会人にはオンライン・テスト(匿名)を受けてもらうため、途中でやめてしまったりしてデータとして使えないものが発生した。そうすると、せっかく属性でバランスを取った被験者数の割合が維持できないので、来年度はデータが足りない職種や職位の被験者をより多く集め、結果が統計的意味を十分持つようにして、最終実験を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となるので以下の実施を予定している。
1.修正後の2種類の評価ツール(項目組み合わせを変えた7パターン)について、それぞれ約200名の学生・社会人に対して実施する。テスティングの要素(妥当性・信頼性・実現可能性)の再精査と共に、属性によって項目を変えた7パターンのテストがそれぞれのグループの能力診断に適しているかについても分析・検討する。社会人の被験者が集めにくい場合は、研究代表者・分担者の高校・大学の同窓会、及び勤務校の卒業生のネットワークを駆使して、属性のバランスがとれた被験者集団となるようにする。 2.要素の重要性に応じて得点の重みづけをし、被験者の得点が低い項目についてはインタビューなどを含む質的検討を加えて、教育指標としての精緻化を図る。 3.研究会・シンポジウムを通じて教育者やビジネス界のリーダーの反応を収集し、それを指標と評価ツールの改良に生かす。 4.ウェブサイト上で教育指標と評価ツールを公開し、自由に使用して頂けるようにする。
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Causes of Carryover |
(理由)計画自体に遅延や問題は生じていないが、加藤尚吾と加藤由樹に関しては、校務と学会日程が合わなかったため、主に分析作業を行ってもらった。また、国際学会での発表を4件行ったため、今年度さらに発表を加えるよりも、最終年度に、より認知度の高い国際学会で最終結果を発表する方向性で進むことにした。
(使用計画)最終年度には国際学会2回、国内学会3回の発表を予定しており、旅費がかなり発生する。それに加えて結果共有のためのシンポジウムや研究会を各地で行うので、会議運営に伴う消耗品、会場費、特別ゲストへの謝金などの出費に残金を充てる予定である。
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Research Products
(6 results)