2016 Fiscal Year Research-status Report
EFL環境下における教育コミュニケーションの実証的研究
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16K13274
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Research Institution | Kyoto University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
近藤 睦美 京都外国語大学, 外国語学部, 准教授 (20467533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野澤 孝之 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (60370110)
Jeong Hyeonjeong 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (60549054)
山本 玲子 京都外国語短期大学, キャリア英語科, 准教授 (60637031)
石川 保茂 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (90257775)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | フロー / 足場かけ / 脳同調 / 学習エンゲージメント / 教育コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、授業内において参加者(学習者と教師)が共に学びへの集中を高める、言わば、「授業が活性化した状態」を科学的に解明することで、学習者の理解・共感・動機づけを促進する授業設計に役立てるための基礎研究を行うことである。 準備段階となる28年度は、授業の活性化を促す教員・学習者間コミュニケーション(以下、教育コミュニケーション)を調査するために、(1)文献調査を進め、(2)予備調査実施のために、東北大学において倫理審査承認を受け、(3)予備調査を実施し、(4)教育コミュニケーションのマルチモーダルコーパス構築に向けてのデータ収集を行った。具体的には、予備調査において、大学生参加者48名を対象に、本調査で使用予定の質問紙を用いての質問紙調査を行い、実際の授業において、超小型近赤外分光測定装置を用いて、教員と学習者集団の脳活動同調レベルの測定を実施した。また、これら授業の録画データから、マルチモーダルコーパスに必要な動画・音声・テキストデータを収集した。予備調査を行ったことで、29年度に予定している本調査に向けて貴重なフィードバックを得ることができた。 また、(1)の文献調査結果および本研究の研究デザインを国内の研究会(計測自動制御学会自律分散システム部会研究会)、および国外の学会(INTED2017、スペイン)にて発表を行い、フロアとの議論より貴重な意見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
事前準備段階として、文献調査および録画授業分析から、教育コミュニケーションの分類・カテゴリー化することが28年度の大目標であった。目標達成のために(1)文献調査、(2)録画授業から教員・学習者間コミュニケーションのマルチモーダルコーパスの構築、(3)教育コミュニケーションの分類・カテゴリー化を予定していた。 (1)の文献調査は順調に進んでいるが、当初予定していなかった予備調査を28年度に実施する変更を加えたことから、(2)(3)で予定より若干の遅れが生じている。(2)のコーパス構築に関しては、すでに授業録画によるデータ収集と文字起し作業は済んでいるため、必要な音声・映像・テキストデータが揃っており、最終段階に至っている。 (3)予定外の進捗としては、予備調査を計画、実施したことから、29年度の本調査の質担保に向けて重要なフィードバックを得ることができた。 これら全体を勘案して、本研究課題の進捗状況としては、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
予備調査で得たデータを、更に探索的に分析し、新たな発見を試みる。また、予備調査の結果を受けて、当初予定していた本研究の計画に必要な修正を加えた上で、本研究を29年度秋をめどに実施し、本研究の目標である、授業の活性化につながる教育コミュニケーションの特定を試みる。また、初年度の成果報告として、国内外での学会発表および学術雑誌への投稿を行う。
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Causes of Carryover |
物品費については、データ収集のためのビデオカメラ等の購入を28年度に予定していたが、どのような機能を備えた機器が本研究課題に必要なデータ(授業内でのグループ活動)を収集するのに適しているかを確認するため、まずは小規模な予備実験を実施した上で、機器購入を検討することにした。旅費については、当初予定していた打ち合わせや学会発表が変更となったため不使用分が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予備調査でのトライアルの結果、本調査に向けてより目的に合った機器を29年度に購入する予定である。また、研究分担者(野澤孝之)の所属が29年度より変わったことから、打ち合わせや研究の際の国内移動が予定よりも増えることになる。
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Research Products
(3 results)