2018 Fiscal Year Annual Research Report
Application of Area Informatics to Borderland History
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16K13285
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中山 大将 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 助教 (00582834)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | データベース / 境界地域 / サハリン / 樺太 / 台湾 / マイノリティ / 残留 / 日本帝国 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)中山大将『サハリン残留日本人と戦後日本』(国際書院、2019年)を刊行した。本書は、パイロット・プロジェクト 「サハリン残留日本人歴史情報データ・ベース」の成果であり、これまで明らかにされてこなかったサハリン残留日本人の実態について詳細な数量分析と質的調査(ライフ・ヒストリー研究)から明らかにしたほか、「境界地域史」に関する理論的検討を行なった。 (2)「境界地域史研究資料統合活用計画」の発足と「サハリン/樺太史研究DB」の作成と公開。メイン・プロジェクト 「サハリン島史ミクロ歴史情報データ・ベース」の実現のために「境界地域史研究資料統合活用計画」を立ち上げ、賛同する研究者の協力を得て7種類のDBの公開に至った。これら公開DBは研究者間の研究情報の共有と活用が期待できる。また今後も活動を継続・拡大させていくための基礎的な枠組み作りも達成した。 (3)論文「樺太のエスニック・マイノリティと農林資源:日本領サハリン島南部多数エスニック社会の農業社会史研究」を発表した。メイン・プロジェクトの成果の一環として、前記論文を『北海道・東北史研究』(第11号、2018年)に発表した。同論文は、これまで個別に行われていた樺太エスニック・マイノリティの統合的研究として意義がある。 (4)国際シンポジウム「世界におけるサハリン樺太史研究」を企画・運営した。サハリン樺太史研究会10周年事業として、前記シンポジウムを開催し、日韓ロ英中各国語の研究状況の把握を実現したほか、今後も資料情報を共有していくためのネットワーク作りを実現した。 (5)論文「台湾と樺太における日本帝国外地農業試験研究機関の比較研究」を発表した。ネクスト・プロジェクトとしての台湾史研究との連携を模索した成果として前記論文を『日本台湾学会報』(第20号、2018年)に発表した。同論文は、これまで試みられてこなかった樺太と台湾の比較史研究として意義を持つ。
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Research Products
(13 results)