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2017 Fiscal Year Research-status Report

ネオ内発的発展論に基づく「限界集落」の生存戦略の構築―住民との協働による実践―

Research Project

Project/Area Number 16K13299
Research InstitutionKomazawa University

Principal Investigator

須山 聡  駒澤大学, 文学部, 教授 (10282302)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 藤永 豪  佐賀大学, 教育学部, 准教授 (00409955)
林 琢也  岐阜大学, 地域科学部, 准教授 (50572137)
高橋 昂輝  香川大学, 経済学部, 講師 (40806345)
Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords集落点検 / ネオ内発的発展論 / 限界集落 / 離島 / 山村
Outline of Annual Research Achievements

住民協働の集落点検が軌道に乗りつつある。ネオ内発的発展論に基づいた住民主体の集落維持に向けて,具体的な方法論を
が構築されつつある。具体的には,鹿児島県奄美大島の宇検村,岐阜県郡上市和良地区,香川県丸亀市広島において集落点検の拠点が形成され,住民と研究者・学生の協働による議論が継続的に進行している。
本研究の大きな特徴は「持続性」にある。すなわち,1回限りの調査や観察で終わることなく,研究者・学生が定期的に対象地域を訪れ,集落点検で提示されたさまざまな提案や,進行中のプロジェクトに関わり続けることである。そうすることで,研究者にありがちな「上から目線」の物言いを排除し,現実的に住民の立場に立った振興策の立案に貢献している。
こうした取り組みは,きれいに言語化することは可能であるが,実際に地域の人びととのかかわりの中で実践するとなると,予想外の困難に直面する。とくに先行する郡上市和良では,研究者の理論と住民の実践の間に乖離が生じていることを,研究分担者も強く認識している。また,奄美大島宇検村においては,住民の現状に対する満足感がきわめて強く,集落維持という問題意識を共有すること自体が非常に困難であることも露わになった。
こうした問題点自体が,従来の研究においては等閑視されていたことであり,研究者が自己満足に陥り,そこから一歩も踏み出していなかった現状を反映する。そうした状況が確認できたこと自体が,本研究の現時点での大きな成果であったと考えている。
今後は,こうした認識に立った上で,集落維持に向けた住民の取り組みを,研究者の立場からいかに支援することができるかを模索したい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の目的が,住民を主体とした集落維持に,研究者としていかに関与・支援できるか,であったことを考えれば,ここまでの研究の進捗はほぼ当初の目的に沿ったものであると考えられる。
さまざまな地域を想定した研究計画であるが,奄美大島や讃岐広島といった縁辺地域だけではなく,大都市圏の周縁に位置する郡上市においても,ワークショップを継続的に実施している。また,本研究の大きな特徴が「継続性」にあることを,研究メンバー全員が認識することができた。調査のための調査,研究のための研究であれば1回だけでもよいが,住民を主体とした実践は長期間を要する取り組みである。息の長い取り組みに,研究者の立場から関わるための方法論を,本研究で見いだすことができた。この点は当初の想定以上の成果であったと見ることができる。
具体的な振興策や住民を巻き込むための方法論は,今後の課題である。単に自分たちが関われたことに満足するだけではなく,その先,どうしたら住民に主体的な行動を促せるかを考えてゆく必要があろう。

Strategy for Future Research Activity

前項でも記載したが,今後は住民の主体的な行動を励起する方法を具体的に考えなければならない。学問サイドでは,地域の振興に必要なことはある程度わかっているが,それを住民の行動につなげるインセンティブが必要である。従来はそれは行政の補助金などによってなされたが,現今においては集落の存続という切実な問題を前にしている。金銭的報酬以外の仕組みを考える必要があろう。
地域とのかかわりを重視するわれわれの研究姿勢からは,それは「ふるさと」「故郷」という意識とのつながりとして捉えられる。より具体的には「死んだあと眠る場所」でもあろう。こうした意識を抱く住民あるいは他出子の意識を,集落の維持に結びつける方法論を考える必要がある。

Causes of Carryover

研究分担者を1人追加したため,3年目に当たる次年度の配分額を確保する必要が生じた。そのため,1年目の研究代表者の配分金支出を抑え,次年度に繰り越した。

  • Research Products

    (5 results)

All 2018

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 3 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 奄美大島の地域性152018

    • Author(s)
      駒澤大学地理学科須山研究室
    • Journal Title

      奄美大島の地域性

      Volume: 15 Pages: 1-125

  • [Journal Article] 奄美群島へのまなざし-テキストマイニングによる地域像の分析-2018

    • Author(s)
      須山 聡
    • Journal Title

      駒澤地理

      Volume: 54 Pages: 15-33

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 奄美大島におけるIターン者の選別・受入を通じた集落の維持-瀬戸内町・嘉鉄にみる「限界集落論」の反証-2018

    • Author(s)
      高橋昂輝
    • Journal Title

      E-Journal GEO

      Volume: 13 Pages: 50-67

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 奄美大島宇検村における集落点検の実践2018

    • Author(s)
      須山 聡
    • Journal Title

      島嶼研究

      Volume: 19 Pages: 67-81

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 農村研究者のフィールドにおける実践を考える-郡上市和良町における成果と課題-2018

    • Author(s)
      林 琢也
    • Organizer
      東海社会学会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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