2017 Fiscal Year Annual Research Report
Public Anthropology of Traditional Marine Resorces Management around the Bismark Sea.
Project/Area Number |
16K13307
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
川崎 一平 東海大学, 海洋学部, 教授 (10259377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 修平 東海大学, 海洋学部, 教授 (00262337)
小松 大祐 東海大学, 海洋学部, 講師 (70422011)
土井 航 東海大学, 海洋学部, 准教授 (70456325)
植原 量行 東海大学, 海洋学部, 教授 (90371939)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 海洋保全 / サンゴ海域 / 環境変動 / パプアニューギニア / 在来知 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.最終年度の研究成果 本研究調査対象地域における近代的水産資源管理については、我が国の海外漁業協力財団による水産振興・漁業管理プロジェクトにおいてコミュニティベースとなる定置網漁業の試験操業が実施されてきたことから、実際に定置網操業をおこなっているオウム村を訪問し、ヒアリングをおこなうと共に操業作業に同行した。ヒアリングにより、当該村落に定置網漁業という新たな生業が誕生することにより利益分配、作業者への労働賃金等の経営的マネージメントにおいて村落内に相克が生じつつあり、それらの解消にあたって若手リーダーシップの台頭がみられることが明らかとなった。また、海洋環境の変動については、当該地域において国際環境NGO団体による啓発ワークショップが開催されるなど、資源管理と同様に国際社会の介入が進められている。そうした影響下において、沿岸域におけるダイナマイト漁操業、また嗜好品ベテルチューニングに必要となる石灰の生産による「サンゴ礁の破壊」を避難し抑制しようとする動きが住民の中から現れていること、またそうした社会運動において理学的知見が強く求められていることが明らかとなった。 2.研究期間全体の研究成果 当該地域における所謂「伝統的漁法」は個人・世帯単位で生産・消費されるため、小規模といえども近代的漁業に求められる集団操業を社会化していくための「しくみ」が必要であることが明らかとなった。また一方、伝統的漁労活動は、活動においても漁獲物の獲得だけではなく漁具の制作・メンテナンス、漁獲部の運搬、調理、廃棄まで村落全体の成員が関与する社会的事業である。近代的漁業が操業作業に関わる一部特定のメンバーによるものであると認識されていることから、社会全体が関与する事業となりえていない。村落儀礼に必要となる大量の食料を定置網漁業で確保するなど、社会的文脈に対応した仕組み作りが住民からも求められている。
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Research Products
(9 results)