2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K13313
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宇佐美 誠 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (80232809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 亜紀子 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (50382370)
児玉 聡 京都大学, 文学研究科, 准教授 (80372366)
井上 彰 立命館大学, 先端総合学術研究科, 准教授 (80535097)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 法哲学 / 法理学 / 運平等主義 / 質調整生存年 / 分配理念 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は、健康がもつ諸特徴を踏まえた上で、医療サーヴィスの分配における患者の責任の考慮に関して新たなモデルを構築するとともに、健康の増進・回復策全般の分配について頑健な分配理念の理論を提案することを目的としている。この目的を効果的に達するため、医療正義班と健康正義班に分かれて活動しつつ、全体会合を通じて統合化を推進した。 平成28年度には、(1)文献の収集・分析による研究蓄積の把握と共有、(2)法哲学的・政治哲学的・倫理学的論点の抽出、(3)先端的研究の捕捉と共有、(4)各メンバーによる理論構築の開始、(5)共同討議による理論彫琢という5つの作業を予定していた。これらの作業はいずれも順調に実施することができた。全体会合では、海外共同研究者・広瀬巌氏(マッギル大学准教授)や、齋藤信也氏(岡山大学教授)に研究報告を行っていただいた他、下妻晃二郎氏(立命館大学教授)らの参加も得られた。 さらに、(6)中間成果の発表を種々の機会に行った。主要な中間成果は、国際高等研究所プロジェクトで児玉が企画責任者を務める研究会合において発表された。児玉による包括的提題の後、宇佐美が医療資源分配上の哲学的諸論点について、井上は運平等主義に基づいた医療資源分配論について研究報告を行った。また、他の中間成果・関連成果には、宇佐美による人権の道徳的根拠に関する国際会議報告と非同一性問題の生命倫理学的合意についての論文、野崎が医事法学を法哲学的観点から考察した論文、井上・児玉がリバタリアン・パターナリズムを検討した英語論文、井上による運平等主義に関する英語・邦語の論文と全国学会報告、そして児玉による医療経済評価結果の医療資源配分への応用に関する招待講演、終末期医療に関する国際会議報告、医療倫理の共著の教科書などが含まれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に予定していた5つの研究作業は、すべて予定通り順調に実施できた。(1)文献の収集・分析による研究蓄積の把握と共有、(2)法哲学的・政治哲学的・倫理学的論点の抽出、(3)先端的研究の捕捉と共有、(4)各メンバーによる理論構築の開始、(5)共同討議による理論彫琢である。 さらに、(6)中間成果の発表を種々の機会に行うことができた。主要な中間成果は、国際高等研究所プロジェクトで児玉が企画責任者を務める研究会合において発表された。児玉による包括的提題の後、宇佐美が医療資源分配上の哲学的諸論点について、井上は運平等主義に基づいた医療資源分配論について研究報告を行った。また、他の中間成果・関連成果には、宇佐美による人権の道徳的根拠に関する国際会議報告と非同一性問題の生命倫理学的合意についての論文、野崎が医事法学を法哲学的観点から考察した論文、井上・児玉がリバタリアン・パターナリズムを検討した英語論文、井上による運平等主義に関する英語・邦語の論文と全国学会報告、そして児玉による医療経済評価結果の医療資源配分への応用に関する招待講演、終末期医療に関する国際会議報告、医療倫理の共著の教科書などが含まれる。 以上の理由により、研究は当初の計画以上に進展したと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の通り、平成29年度前半には、理論構築の進展と共同討議による理論彫琢をいっそう進める。同年度後半には、共同討議による理論彫琢を継続しつつ、成果の個別的・共同的発表を行う。
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Causes of Carryover |
国内外での資料収集・意見交換のために旅費を用意していたが、研究分担者の一部が他経費の用務を主として遂行する出張において、用務先で付随的に本研究課題の関連業務を行う場合が比較的多かったため、旅費について次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の予定通り、研究分担者の旅費として使用する予定である。
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[Book] 正義2016
Author(s)
井上彰
Total Pages
184( 157-167)
Publisher
ミネルヴァ書房