2017 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive Analysis of Law and Policy in the American Food Policy
Project/Area Number |
16K13317
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大沢 秀介 慶應義塾大学, 法学部(三田), 教授 (40118922)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | フード・ロー・ポリシー / 食の安全 / 連邦食品医薬品化粧品法 / 食品安全基本法 / 食品衛生法 / 食育基本法 / 食品安全現代化法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本研究の最終年度にあたるところから、まずアメリカにおける新たな食に関する法学分野として出現しつつあるフード・ロー&ポリシーが、どのような背景をもって生じ、今後どのように展開することが予想されるかについて、検討を行った。このような新しい法分野が出現した背景には、アメリカでの食に関する法的規制が、従来からの食品医薬品化粧品法と農業法だけに頼るのみでは、現代における食の安全に対応できないという問題意識が存在している。そのような状況の中で、最近は憲法学者も含めて、このフード・ロー&ポリシーについて強い関心が示されつつある。その結果、多くの学者がこの分野に集まり、またアメリカのロー・スクールの中で正規の科目として掲げるところが多くなっている。フード・ローに関する教科書も出版されている。このような食の安全を総合的に法的観点から検討することの必要性は、日本においても大きなものとなっている。その観点も含めてアメリカにおける食の安全に対する最近の法的規制として、従来改正の対象とならなかった食品医薬品化粧品法の食品部分の規制強化の現れである食品安全現代化法について、その内容を検討した。 このようなアメリカにおける食の安全の展開に対して、わが国の現状を調査するために、食品安全基本法、食品衛生法、食育基本法で基本的な方針を掲げる国の法律の下で、地方自治体がどのような施策を実施し、どのような課題を抱えているかについて、愛知県と豊田市を対象に実地調査を行った。愛知県は食の安全プログラムを有しており、また豊田市は外国人子弟が多く、食育の観点から注目される。その結果、愛知県では食品加工施設などにおける自主管理という課題が存在し、また豊田市では輸入食品の食品表示よりも、学童期の子どもの肥満解消という課題を有していることが確認された。
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