2016 Fiscal Year Research-status Report
行政訴訟と民事訴訟との配置再編による救済制度の実効性確保
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16K13318
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
榊原 秀訓 南山大学, 法務研究科, 教授 (00196065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊島 明子 南山大学, 法務研究科, 教授 (10293680)
小原 将照 南山大学, 法学部, 教授 (10337868)
渡邉 泰子 南山大学, 法学部, 講師 (40513578)
洞澤 秀雄 南山大学, 法学部, 准教授 (60382462)
石田 秀博 南山大学, 法務研究科, 教授 (70232311)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 行政救済法 / 民事訴訟法 / 行政事件訴訟法 / 当事者訴訟 / 確認訴訟 / 給付訴訟 / 抗告訴訟 / 処分性 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者と分担者は、各自の分担に従い、関連する裁判例や文献の収集、それらの整理をした上で、各自のテーマについて検討を行った。年度の後半に研究会開催を計画し、まず、研究代表者である榊原が、当事者訴訟に関連する資料を冊子にまとめて、分担者に配布し、12月の学内における研究会において、給付訴訟と確認訴訟の関係に一つの焦点を当てつつ、当事者訴訟に関する報告を行い、分担者やそれ以外の学内の法学研究者と意見交換を行った。 その後、2017年3月には、龍谷大学の演習室を利用させてもらい、研究会を行った。まず、各分担者の研究の状況と、それに対する質疑応答を行った。行政法を専門とする分担者だけではなく、民事訴訟法を専門とする分担者も報告を行い、民事訴訟と行政訴訟の基本的な発想の異同やその理由を確認した。さらに、代表者と分担者において、来年度の研究会の開催や報告の仕方、研究成果のまとめ方についても確認した。 そして、第4次厚木基地訴訟最高裁判決が出されたことから、下級審判決やそれに対する評釈を含めて資料を作成した上で、この判決を中心に、民事訴訟と抗告訴訟としての差止め訴訟の関係などについて、この問題に関して論文や判例評釈を公表している外部の研究者を招いて、分析、検討を加えた。具体的には、行政法研究者として早稲田大学の岡田正則教授と龍谷大学の本多滝夫教授、民事訴訟法研究者として同志社大学の川嶋四郎教授に判決に対するコメントを依頼し、参加者で議論を行った。この判決により、抗告訴訟としての差止め訴訟で争う方法が明確になったものの、何故民事訴訟ではなく、抗告訴訟でなければならないのか、いかなる場合に訴えが認容されるのか必ずしも明確ではなく、理論的な検討が必要な論点を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に従い、資料収集や整理を進めるとともに、複数回研究会を開催した。まず、学内において当事者訴訟に関する研究会を開催した。また、その後には、学外において研究会を開催した。後者の研究会においては、各分担者が報告を行うと同時に、複数の外部の研究者を招いて研究会も行うことができた。公表した研究成果は限られるが、今後公表を行っていく予定であり、ほぼ計画通り研究を行うことができたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的に、前年度における研究活動と同様の研究方法で研究を進めるが、それに加えて、各々が行政訴訟や民事訴訟に関して比較法研究を行っていることから、それらの研究成果も利用しつつ、前年度と同様の論点の幾つかに関しては、比較法的なより原理的な検討を行うことを考えている。 数回研究会を行うことにし、その研究会を通して、本研究で示したような問題についての裁判例や学説の状況にとどまらない議論状況を確認する。主に行政法を専門とする分担者が報告を行うが、民事訴訟法を専門とする分担者も簡単な報告を行う。また、必要に応じて、外部の研究者に研究会で比較法的な報告や理論的な報告を行うことを依頼し、理解を深めることにする。研究代表者・分担者は、学内の研究会以外にも、外部の研究会に出席したり、場合によっては外部の研究会で報告を行ったりする。 年度の終わりには研究のまとめ作業を行う予定であり、南山大学の紀要である「南山法学」などにおいて研究成果を公表することも考えていきたい。さらに、一定の研究成果が確認できたならば、その後も研究対象や研究組織を拡大する可能性を探ることにする。
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Research Products
(2 results)