2017 Fiscal Year Research-status Report
同性愛・性同一性障害の東洋家族紛争--欧米との比較による脱構造主義的分析
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16K13325
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 邦彦 北海道大学, 法学研究科, 教授 (00143347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 紀子 東北大学, 法学研究科, 教授 (40114665)
鈴木 賢 明治大学, 法学部, 専任教授 (80226505)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 同性愛 / 性同一性障害 / 婚姻法 / 人工生殖 / 脱構造主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)同性愛者及び性同一性障害をめぐる法的課題、それに関する実態調査的なものとして、特にその東アジアの比較研究として、分担者鈴木が精力的に取り組み、特に台湾〔さらには韓国)との比較研究などを比較法学会のプレ報告として、北大で議論し合い、さらに、台湾からの同性愛者の権利擁護運動に努める者も交えて、同国の憲法法廷解釈などをめぐる近時の状況を議論し合った(2017年10月)。 さらに、吉田は、家族法の講義に於いて、同性愛問題の分析を鋭意深めて拡充している。
2)日米比較も続けており、LGBTリーダー会議にも参加し(2017年12月)、オバマ政権下で注目すべき同性愛判決の後、トランプ政権に入り、再度そのバックラッシュに入ってきていることの議論、さらに各論的に、住宅関連差別問題〔他方で,ウェスト・ハリウッドなどでのそのコミュニティ作り)、HIVへの諸対策、環境保護との関わりなど討議した。
さらに、本研究の1つの主眼として、LGBTQ研究の基礎理論にも着手し、その第一人者のハリー教授(ハーバード大学〕の著作に関して同教授と意見交換した(2018年3月)。ポイントは、第1に、従来のフェミニズムの諸議論との比較(特に権力分析を行うマッキノン教授(ミシガン大学)ではその構造主義的分析が、LBBTとの関係でどう不都合なのかなど)、第2に、男性志向的なフェミニズムとの異同などであり、その成果は、いずれ別途公表することを考えているが、さしあたりは、《民法と公共政策》の講義録に反映させている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実態分析は従来のものをさらに発展させることができた(もとよりアメリカなどでの各論研究は多数に及ぶのでその更なる咀嚼は、今後の課題である)。
さらに、その基礎理論の研究に着手している。
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Strategy for Future Research Activity |
LGBTQ研究の基礎理論研究の理解は必ずしも容易ではないが、第一人者とのネットワークを構築できているので、さらにその理解のレベルアップを図りたい
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Causes of Carryover |
事務的な手違いのために、生じてしまったが、次年度はこのようなことがないように努めたい。
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Research Products
(7 results)