2018 Fiscal Year Annual Research Report
Causal Inference on Voter Turnout by Exploiting As-if Random Timing of Municipal Elections
Project/Area Number |
16K13340
|
Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
福元 健太郎 学習院大学, 法学部, 教授 (50272414)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 自然実験 / 月齢 / 統一地方選挙 / 選挙権年齢 |
Outline of Annual Research Achievements |
1 データ収集・入力 男女別投票率データが得られていなかった数十の市町村について全て調査を終えた。それでも判明しなかったものは欠損値とした。 2 データ分析 (1)投票率の男女差は月齢に影響されるか:線形円周モデルを用いて、日本の市町村選挙における投票率の男女差(被説明変数)を月齢(説明変数)に回帰した。結果としては、投票率の男女差は平均約2.8%のところ、新月の頃は約2.6%に下がり、満月の頃は約3.0%に上がることがわかった。 (2)20歳(台前半)の投票率が高いのは人生初の選挙だからか:若者の投票率が低いことはよく知られているが、実は20歳の投票率は20歳台前半と比べて高い。自然実験を利用した分析結果によれば、選挙が初めての人が0%から100%に増えれば、投票率は約8%上がる。つまり、初めての選挙だから投票に行くが、2回目以降は(1回目の経験に幻滅するためかどうかわからないが)投票に行かないという若者が、それだけたくさんいる、ということがわかった。前年度までに既に分析を終え論文も執筆していたが、2018年4月8日にシカゴで開催されたMidwest Political Science Association年次大会で報告した。なおこれはかつて私が指導していた大学院生だった庄司真綸子氏との共同研究である。 (3)統一地方選は投票率を上げるか:予想に反して、統一地方選の方がそうでない場合よりも投票率が約5~6%ポイント低いことがわかった。 (4)首長と議会の同時選挙は投票率を上げるか:統一地方選挙でない場合のみ、予想通り、同時選挙の方がそうでない場合よりも、首長は約10%ポイント、議会は約2%ポイント、有意に投票率が高いことがわかった。
|