2018 Fiscal Year Annual Research Report
Does inclusive education improve the educational achievement of people with disabilities: evidence from Nepal
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16K13356
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 障害 / インクルーシブ教育 / 経済実験 / ネパール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、インクルーシブ教育プログラムが健常者・障害者すべての児童の学力に与える影響を計量的に推定することを目的として いる。インクルーシブ教育の普及は国連が2015年9月に発表した「持続可能な開発目標(SDGs)」にも明文化されたように、国際的な緊急課題となっている。しかしながら、途上国を対象とした実証研究は極めて少ない。そこで本研究ではネパールを対象として現地調査を行い、インクルーシブ教育が生徒に与える効果の実証研究を目的としている。 本研究のための2度にわたる現地調査を、予定通りに完了した。本調査はネパールの盲人福祉協会協力のもと、ネパールの極西部開発地域(Far West Region)のダンガルヒ市の小学校にて、障害者および健常者の児童を対象として経済行動の測定を行った。これは差別意識を測定する際に用いられる経済実験の手法を取り入れることにより、差別行動を数値化し議論するためである。一度の調査で2回の測定を行い、1回目と2回目の間に障害者と健常者の交流機会を設けることで、インクルーシブな状況における行動変化を測定することを目的としている。また調査対象の学年では2019年度にインクルーシブ教育を実施していた。したがって、インクルーシブ教育実施前の状態を2018年3月に調査し、インクルーシブ教育実施後に再度同じ児童を対象として2019年2月に調査を行った。これにより、インクルーシブ教育による効果測定が可能となる、世界でも稀な調査成果を上げることができた。 1回目の調査の分析結果は学会ならびに研究会で発表し、フィードバックを反映した分析結果で現在国際学術誌に投稿準備中である。2カ年におよぶデータを用いた分析結果は今夏を目処に分析結果を揃え、国際学会で発表する予定である。
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Research Products
(2 results)