2018 Fiscal Year Annual Research Report
Inventor Network and Knowledge Creation Activity
Project/Area Number |
16K13367
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
齊藤 有希子 (梅野有希子) 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (50543815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 勇 明治学院大学, 経済学部, 講師 (40548286)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 知識生産 / 発明者ネットワーク / 技術伝播 |
Outline of Annual Research Achievements |
イノベーションの原動力である異なる知識の新結合として発明者の異動および共同研究ネットワークに注目し、発明者の生産性および組織の生産性との関係を実証的に明らかにすることを目的とし、前年度まで、特許明細書データの発明者情報を用いて、発明者の異動パターンと共同研究パターンを整理し、東京商工リサーチの企業間関係のデータベースとマージすることにより、多くの発明者の異動や共同研究のパターンは、企業間の取引関係や資本関係など他の経済活動のネットワークと密接に関わっていることを確認した。それらの企業間ネットワークと相互に関係しあいながら、生産性に影響を与えうることが推測される。 最終年度では、これらの複雑な相互関係の因果関係の識別にまでは至らなかったが、技術の伝播の性質をより詳細に分析するため、既存研究で行われている引用関係ネットワークにより測定するだけでなく、特許明細書データのテキスト情報から始めて現れる言葉を抽出し、それらの言葉をその組織で生み出された新しい技術であると仮定し、新技術の波及を測定した。引用関係ネットワークではどのような技術が波及したのかの特定が難しいが、テキストマイニングにより新技術の伝播の過程を測定することが可能になる。新技術の波及曲線を分析した結果、分析の結果、組織間の発明者の異動の多い組織や共同研究の多い組織において、伝播のスピードが高くなることが確認された。組織間の発明者の異動の多い組織や共同研究の多い組織において、生産性が高いことを考慮すると、異なる知識の新結合の重要性が示唆される。
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