2016 Fiscal Year Research-status Report
地域イノベーションのメカニズムの解明:函館西部地区バル街の事例研究
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16K13388
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
松下 元則 福井県立大学, 経済学部, 准教授 (60458122)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地域イノベーション / バル街 / 函館西部地区 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、次の2つの研究作業を遂行した。 第一に、1975年から2015年までの函館西部地区のマクロ環境の変化を分析した。具体的には、函館西部地区のマクロ環境の変化に関する量的データと歴史的事実を確定するためのデータを、函館市統計資料と『函館市史』、北海道新聞記事検索データベース、函館市立図書館所蔵の郷土資料などを用いて収集した。次に、函館西部地区のマクロ環境の変化に関連する主要な出来事に対して、函館西部地区の主要な行為主体が主観的な意味づけを行ったデータを、自ら行ったインタビュー調査と第三者の行ったインタビュー、北海道新聞記事検索データベース、雑誌記事、函館市立図書館所蔵の郷土資料などから収集した。そのうえで、インタビューデータなどの質的データを量的データと突き合わせて総合的に処理して、函館西部地区のマクロ環境の変化を分析した。 第二に、函館西部地区バル街の歴史的プロセスを、企画・運営の担い手である函館西部地区バル街実行委員の視点から了解する作業を進めた。具体的には、函館西部地区バル街に関する量的データや歴史的事実を確定するためのデータを、北海道新聞記事検索データベース、函館市立図書館所蔵の郷土資料、函館西部地区バル街実行委員会の内部資料などから収集した。次に、上記の量的データや歴史的事実に対して、函館西部地区バル街実行委員が行った主観的な意味づけの内容を把握するため、第三者の行ったインタビューデータ等を新聞記事や雑誌記事などから収集するともに、自らインタビュー調査を行った。そのうえで、インタビューデータ等の質的データを量的データと突き合わせて総合的に処理して、函館西部地区バル街の歴史的プロセスを、函館西部地区バル街実行委員の視点から分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画よりも、質と量の両面で優れた資料・データを収集することができたので、函館西部地区のマクロ環境の変化に関する分析は計画以上に進展した。インタビュー調査もコンスタントに行われており、函館西部地区のマクロ環境の変化と函館西部地区バル街に関連する主要な出来事に対して、主要な行為主体が行った主観的な意味づけに関する知見も、ほぼ計画通りに蓄積されていると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、函館西部地区バル街の歴史的プロセスを、函館西部地区バル街に直接あるいは間接的に携わっている多様な行為主体の視点から了解する作業を進める。そのためインタビュー調査の対象を、函館西部地区バル街実行委員のみでなく、実行委員以外の函館西部地区バル街に直接あるいは間接的に携わっている多様な行為主体に拡大する。 そのうえで、これまでの研究作業の結果を統合し、函館西部地区バル街という地域イノベーションが、なぜ、どのようにして生じたのかを明らかにする。
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