2016 Fiscal Year Research-status Report
企業買収における技術的関連性とパフォーマンスの関係性:特許データによる定量分析
Project/Area Number |
16K13390
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山野井 順一 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (20386543)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 経営学 / 合併 / 技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、企業の合併買収先の選択ならびに合併買収後のパフォーマンスに二社間の技術的関連性が与える影響をについて定量的分析を行うために、研究実施計画に基づき、企業間の技術的関連性の指標を作成を行った。その準備段階として、データベースの作成に注力をした。第一に、ビューロバンダイク社が適用する企業の合併買収のデータであるZephyrから、1990年から2016年までの世界の合併買収についてのデータを抽出し、買収企業、被買収企業のデータをを整理した。第二に、データベース管理の専門家の助力を得つつ、1960年以降の特許について、企業との紐づけを行った特許データベースを整理し、企業間の特許引用に基づくネットワークを作成することが可能となった。さらに、他企業との提携での研究開発の経験がある製薬会社に勤務する研究者へのインタビューを通じて、企業間の技術的関連性が、その両社の協力関係に与える影響についての、定性的な知見を得て、技術的関連性が買収企業の選定に与える影響、ならびに、買収後のパフォーマンスに与える影響についての理論モデルの作成を行った。その過程において、技術的関連性の高さは必ずしも、合併買収後のパフォーマンスの上昇には結びつかないことが理論的に予測された。 次年度以降については、当該理論モデルを検証するために、海外研究者の協力を得ながらネットワーク分析を用いて、技術的関連性の指標を作成し、定量的分析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ分析のための準備は完了し、理論モデルも作成できたため、計画通りモデルの検証に移行可能であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降については、当該理論モデルを検証するために、海外研究者の協力を得ながらネットワーク分析を用いて、技術的関連性の指標を作成し、定量的分析を行う。その結果に対し、実務家などからの定性的な知見を得つつ、モデルの精緻化を企図する。
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Causes of Carryover |
特許データベースの作成が2017年4月にずれ込み、専門家への知識供与に対する対価の提供が遅れてしまったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年4月に、データベース作成の専門家から助言を受け、特許データベースを作成することが可能となり、その対価として使用した。
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