2019 Fiscal Year Annual Research Report
Overseas Japanese Business in Asia and Japan's Rural Agriculture and Fisheries: Swallowed up by the International logistics Network
Project/Area Number |
16K13395
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Research Institution | Okayama Shoka University |
Principal Investigator |
古川 澄明 岡山商科大学, 経営学部, 教授 (10148992)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 和僑 / 華僑 / 和僑会 / 海外起業 / アジアンビジネス / ビジネスネットワーク / 和食市場 / 地方農漁業 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 「和僑」の先行研究を行い、理論面での精覈に取り組んだ。 (2) 実態調査を行う計画であった。とくに和僑会本部が置かれている香港に同本部と和僑事業者をヒアリングし、引き続いて、ベトナムに和僑事業者のヒアリングを行う予定であった。しかし、香港では2019年3月から継続して行われていたデモ活動が終息せず、またその後2019年12月からコロナウイルス感染がアジア各地に拡散し、2020年1月~3月に延期していた香港調査及びベトナム調査を中止しなければならなかった。本来ならば、香港とベトナムの現地に拠点を置く和僑ビジネス従事者と日本の農水産品輸出業者との間で営まれるビジネス取引の接点と人脈関係及び資本関係、現地で事業を展開する和僑事業者のアジア・ビジネスネットワークを追跡調査する予定であった。 (3) 研究の到達目標は、日本の地方農水産業が和僑ビジネスを介してアジア広域ビジネスネットワークに取り込まれて、和僑と日本地場農水産業者との共軛関係及び、日本のビジネス環境から飛び出そうと模索する地場農水産生産販売業者の自律的な進化と国内「和僑」化(国内各地に和僑会が組織され、アジア和僑とビジネスネットワークに深く参加する)の意味を問う予定であった。 (4)到達点は、次の点であった。 日本の地場農水産物販売業者とシンガポールや香港の和僑事業者とが共軛ビジネス関係を形成し、同時に、和僑事業者が現地や広くアジア広域に華僑や民族系事業者のビジネスネットワークに結びついているという仮説に対し傍証を固めることができた。とりわけ学術的に興味深い点は、シンガポールや香港の和僑事業者の多くが華僑ビジネスネットワークに深く結び付く形で現地事業を実現していることであった。
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