2016 Fiscal Year Research-status Report
消費者向けロボットの顧客価値の決定要因と行動帰結,文化・製品・使用形態による差異
Project/Area Number |
16K13396
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
Frank Bjoern 上智大学, 地球環境学研究科, 准教授 (30467039)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 消費者行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本挑戦的萌芽研究は、消費者向けロボットの技術的特徴と法的環境が顧客価値と消費者行動に与える影響、及びその文化・製品類型・使用パターンによる差を解明することを目的とする。この目的を達成するために、平成28年度は、実現可能性の高い自動運転車に集中することにした。この製品に対する消費者態度を測定するために、消費者向けのアンケートを設計し、作成した。技術的かつ法的な発展が不確実なため、アンケートには、各製品について、製品の性能およびブランド特性、法的環境により、様々なシナリオを含めた。各製品および各シナリオについて、アンケートに、ロボットがない現在の状況と比べた製品の機能的かつ、快楽的、象徴的、金銭的なベネフィットと損失、また消費者の利用目的と予想される使用パターン(顧客価値共創の一種類)、そしてロボットを購入して、使用し、他人に推薦する消費者意図に関する質問項目を含んだ。また、消費者個人について、アンケートに、人口特性および文化的性向、パーソナリティーに関する質問項目を含んだ。 次に、アンケート本調査に進み、調査票を複数の言語に翻訳し、日本及び中国、米国でデータを収集した。研究協力者とともに、収集したデータをエクセルファイルに入力し、電子化によって分析可能にする。 収集したデータの分析によると、自動車メーカーの責任のもとで完全に自動運転を可能とする自動運転車の購入意欲を促す要因は、主に機能的な商品ベネフィットである一方で、運転者の責任のもとで高速道路のみで自動運転を可能とする自動運転車の購入意欲を促す要因は、主に快楽的かつ象徴的ベネフィットであることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
共同研究者の協力を快く得ることができたため、アンケート調査の範囲を当初の計画よりも速く広げることができた。消費者を対象にするアンケートについては、予測した進捗以上のものとなっており、日本と中国のみならず、米国においても膨大な調査を行い、そして収集したデータをもとに分析を行い、分析結果を国際学会で発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に設計した、自動運転車を対象とするアンケートを踏まえて、環境掃除ロボットを対象にする、新たなアンケートを設計する予定である。次に、アンケートを多言語に翻訳し、国内外の調査を行い、新たなデータを収集する。中国、フランス、米国、ボリビアからデータを収集する予定である。研究協力者とともに、収集したデータをエクセルファイルに入力し、電子化によって分析可能にし、今年度のデータに統合する。その上で、データの信頼性および妥当性を検証し、データを全体で使用することが可能かどうか検討する。 次に、分析の段階に入り、統計的手法を用いて、データ解析を行い、研究仮説を検証する。分析から得た結果に基づいて、研究論文を作成し、学会に投稿し、学会にて知り合う他の研究者からのフィードバックに基づいて論文を改善し、学術誌に投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
米国の研究協力者の協力のおかげで、データ収集の支出を多少減らすことができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
特に中国で新たな研究協力者を見つけたため、中国からより多くのデータを収集する見込みがある。繰越す資金を、このデータ収集の追加分に使用する計画がある。
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