2017 Fiscal Year Research-status Report
地方国公立大学生の「地元志向」の規定要因に関する研究:複数地域間の比較を念頭に
Project/Area Number |
16K13408
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
寺地 幹人 茨城大学, 人文社会科学部, 講師 (90636169)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 社会学 / 地元志向 / 若者 / 国公立大学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地方国公立大学の学生の「地元志向」を規定する要因について、現役学生への調査ならびに学生との対話をもとに、検証することを目的とする。 今年度は、昨年度の成果を踏まえ、研究における被説明変数となりうる概念(「地元志向」「地元」)の検討から研究を進めた。その際、本テーマに関わる最新の研究、特に特定地域の若者を対象とした諸研究において、若者たち自身が「地元」概念をどのように捉えているか、その捉え方を先行研究の読解をもとに整理した。そして、若者にとっての「地元」という問題を考える際に、以下の3点に注目することが有効ではないかと、考察した。 (1)「地元」の相対性:さまざまな地域との比較で「地元」をみるか / (2)「地元」の所与性:その人にとって、所与であり代替不可能な地域としての意味合いが強いか、後天的で設定可能な地域としての意味合いが強いか / (3)「地元」の特有性:他の地域には代えがたいという評価を受けていたり他の地域にはない資源を有している地域として、他者からも認識されていると自負しているか また、地方で暮らす若者を調査票・インタビューの両方で調査した最新の研究に対する地方国立大学生の考え方を詳細に記録した後に、同研究の著者と学生の対話の機会を設け、学生たち自身にとって「地元」を考える際の要因となりうる点を探った。 ただし、これらを踏まえた本格的な調査を行うまでには至っていないのが現状である。次年度は、本研究で当初想定していた萌芽的な側面に対する可能性も見据えながら、本研究独自の調査を実施して成果をまとめていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究開始前の計画時よりも、関連テーマに関する重要研究が多く存在するようになり、それらのフォローに今現在も予想以上の時間を要している。また、「地元」「地元志向」という概念の操作的定義をどのようにするか、昨年度および今年度の重要研究の成果を十分に踏まえないと調査を計画できなかったことが、上記の進捗状況となった理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究開始前に計画していた調査の内容・方法・規模を再検討することで、成果のまとめに繋げていく。ただし、研究テーマの根幹は維持するため、場合によっては事業期間延長制度を使用し、調査の丁寧さや萌芽的な面の展開は失われないように、研究を遂行する。
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Causes of Carryover |
研究開始前は前年度および今年度に予定していた調査の計画を変更し、次年度に本格的に開始せざるを得なくなったため。次年度はそれを行いつつ、ここまでの研究で出せる成果の公表に向けた活動も同時並行的に進めていく。
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