2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K13417
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鈴木 譲 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (40281753)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 順位相関 / 多変数 / 離散変数 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、多変数順位相関係数分析ソフトウエアの開発を行った。計算アルゴリズムに基づいてソフトウエアの仕様を作成し、開発を発注するためにソフトウエア開発を専門としている3社に見積もりを依頼し、価格および技術力などを総合的に判断して、発注先を決定した。当該ソフトウエア開発における最大の焦点は、その検証作業である。多変数順位相関係数の計算は、アルゴリズム自体は明確に定義されているが、計算を手作業で行うと膨大な手間になるために、ソフトウエアを開発するわけである。しかしながら、ソフトウエアの検証過程においては、手作業でしか正しい結果を得ることができない。従って、テストケースとして多数の組合せを検証しようとすると、膨大な作業量が必要となり、これは時間的にも予算的にも現実的ではない。 この問題を乗り越えるために、テストケースとして、計算アルゴリズムをそのまま用いて計算しなくても、論理的に結果が分かるようなデータをできるだけ多く開発した。これによって、ソフトウエアの検証の手間を大幅に削減することができた。その後、最終段階として、ある程度の時間内で手作業で計算できるようなデータを作成し、ソフトウエアの検証を完了した。 ソフトウエア本体は、ウインドウズの表計算ソフトウエアEXCELのマクロとして稼働するように設計されている。このソフトウエアのアルゴリズムについては、平成28年9月刊行の『共生社会学』第7号「多変数順位相関係数」(pp. 1-10)に掲載されており、平成28年10月9日(日)に九州大学伊都キャンパスにて開催された第89回日本社会学会大会の研究法・調査法部会で高等発表を行った。開発したソフトウエアに関しても、ごく基本的な操作と正常出力を、発表の際に実際にパソコン上で稼働させ紹介した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、多変数順位相関係数を計算するソフトウエアを開発し、第一次の検証作業を完了することができた。また、計算アルゴリズムに関して『共生社会学』に論文として掲載し、日本社会学会大会でも口頭発表を行った。この経過から、本研究課題に関しては、おおむね順調に進展していると判断することができる。 ソフトウエア開発では、複数のソフトウエア開発会社の担当者と連絡を取り、仕様を提供して見積もりを取った。その結果、価格に加えて、技術的にも最もすぐれている発注先を決定することができた。開発経過も順調に進み、連絡は電子メールを用いて行い、特に問題は起こらなかった。また、当該ソフトウエアに加えて、ソフトウエア開発に伴う、フローチャートなどの文書、および、エラーメッセージ一覧などを含む操作説明書も納入された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まずソフトウエアの第二次検証を行い、その後はこのソフトウエアを用いて実際のデータ分析を行う予定である。ただ、このソフトウエアに関しては、納入後にデータを用いて試験的なデータ分析を行ったところ、いくつかの機能の拡張・修正が望まれることが判明した。そこで、平成29年度はまずソフトウエア機能の拡張・修正を行う予定である。 具体的には、このソフトウエアの機能拡張・修正は、大きく4つに分類される。第一は、欠損値の指定である。第二は、連続していない範囲をコントロールキーを用いて指定する機能である。第三は、エクセルの起動時にこのソフトウエアを起動しないようにすることである。第四は、Windowsに加えてMacでもこのソフトウエアが機能するようにすることである。
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Causes of Carryover |
物品購入の際に予定していた金額と、実際の見積額との間に多少のずれがあり、予定していた金額が多少多めに設定されていたので、2,796円の差額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
金額が2,796円であり、さほど大きい金額ではないので、ソフトウエアのテスト検証作業に必要な消耗品(用紙類など)にあて執行する予定である。
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Research Products
(2 results)