2018 Fiscal Year Annual Research Report
Behavioral and health studies of rare populations
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16K13419
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
川野 英二 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (20335334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 若葉 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (70420734)
田淵 貴大 大阪市立大学, 都市研究プラザ, 都市研究プラザ特別研究員 (20611809)
藤原 翔 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (60609676)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | レア・ポピュレーション / 逸脱行動 / 社会病理 / メンタルヘルス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、前年度までの計画をさらに検討しなおし、調査の実施方法、調査項目、分析手法を精査したうえで、2019年3月にウェブ調査を実施した。最終的に、調査対象者は18歳から54歳までとした。対象者はウェブ調査会社の保有するモニターから抽出し、最終的な回収数は1,455ケースであった。 調査では、15歳時、現在の困窮度、教育、現在の職業および職歴カレンダー、人生の重大な出来事(全17項目)、社会的ネットワーク、健康状態、所得、注射器の使い回し、いれずみ・タトゥーなどの逸脱経験の検討、肝炎ウイルス検査の経験と結果に関する項目も分析に加えた。計画では、逸脱行動に関する分析を行うことが主な予定であったものの、ウェブ調査を委託した調査会社との交渉で、逸脱経験者のみを抽出した調査の実施が困難であることが最終的に判明した。また、逸脱経験をたずねる項目でも、法律に反する行動についての項目は除外せざるをえなかったため、逸脱経験の項目の使用がかぎられたことは残念な結果であった。そのため、本研究では、ライフイベントのなかで、とくに失業や補導経験というネガティブな経験の影響をとくに重点的に分析した。以上のような計画変更はあったものの、とくに今回は、ウェブ調査で職歴データを収集して意義のある分析を行うことができた点は特筆できる。 回収後の分析では、1)職歴データ全体にたいして最適マッチング法をもちいたシークエンス分析によって、職業トラジェクトリーのタイプ分け、2)一般サンプルと逸脱経験(補導・逮捕経験)の職業経歴の分析、3)複雑性指数とプレカリティ指標を算出して、現在の職業や健康との関係を分析した。 今後は、さらに精緻な分析をすすめ、次年度の学会発表および論文刊行をおこなう予定である。
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Research Products
(2 results)