2018 Fiscal Year Annual Research Report
Interaction Analysis of Legal Counseling-A Study of Interprofessional Communication in the Dialogue Counseling Era
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16K13421
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
樫田 美雄 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (10282295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 健一 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (20283856)
北村 隆憲 東海大学, 法学部, 教授 (00234279)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 法律相談 / 司法改革 / 模擬法廷 / 専門職論 / 土地家屋調査士 / エスノメソドロジー / ビデオ・エスノグラフィー / 会話分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,複数の学会で学会発表をするとともに,『科研費報告書』の企画・編集・作成・発行をおこなった. まず,学会報告に関しては,2018年5月の鹿児島大学での法社会学会と,2019年5月の千葉大学での法社会学会の両方において,ミニシンポにおける発表を行った. また,『科研費報告書』として,『法律相談の相互行為分析(挑戦的萌芽研究2018報告書)』をブルーレイディスク付きで発行した.また,この報告書とは別に,現在,科研をベースとした出版企画が進行中である(出版社での出版を準備中である). なお,年度末になって,研究をブーストアップする追加調査の必要性が認識され,某法科大学院において,土曜日の集中授業に2度調査に入り,対面授業および模擬法廷の様子を撮影するとともに,院生と教員との振り返り場面に一緒に加わって,議論を行った. これらの結果,概要として,以下の2点が成果としていえるだろう.第一に,古典的「専門職論」の限界が明らかになった.いまや,各専門家は,単独で業務を遂行できるオールマイティ性を失いつつあり,市民的理性との共同討議や,他の専門職との共同的専門性でもって,課題処理をせざるを得なくなっている.じっさいの,法律相談においても,「税の細かいことは税理士さんにまた聞いてほしいんですけど」というような,他の専門職との境界設定をみずから行うような発言が,相談担当弁護士によって発声されていた.第二に,上記のような「古典的単独業務遂行的専門職から,現代的共同業務処理型専門職へ」という実際の業務の変化に呼応して,大学院での職業教育も変わりつつあった.その内容としては,(法廷での議論の組み立て等において)「専門技能を一方的に教授するのではなく,専門技能を吟味しながら,研究的に検討するような授業」が実際に構想され,実践されていた.この後者の内容については,追加調査の結果を現在まとめている.
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