2016 Fiscal Year Research-status Report
職務ストレスに注目した若年就労支援実践家育成プログラムの開発
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16K13438
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Research Institution | Hokkaido Bunkyo University |
Principal Investigator |
大川 浩子 北海道文教大学, 人間科学部, 教授 (50458155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 有紀 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (10292616)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 就労支援 / 人材育成 / ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、就労支援における若年支援者の育成に必要な「職務ストレスに対するセルフケアの要素」の抽出のためにアンケートを実施した。 対象は障害者への就労支援を実施している事業所1200施設(障害者就業・生活支援センター300施設、就労移行支援・就労継続支援A型・就労継続支援B型事業所計900施設)の就労支援を実践している実務者で、各施設で最も若い実務者を対象とした。 内容については、基本情報に加え、当初計画していた、人材育成の現状と課題、職業性ストレス簡易調査表(厚生労働省,2015)、職務ストレス(石原,2011)、ワーク・エンゲイジメント(日本語版UWES,島津,2015)について実施した。アンケートの回収は2017年2月~3月であり、督促状を送るなど回収率を上げる工夫を行ったが、目標の50%を超えることはできなかった。理由としては、宛先不明で戻ってきた施設が20施設あったこと、管理職よりも実務者の方が回収率が低くなりやすいことがあげられる(先行研究:未発表)。 現在、データ分析中であり、平成29年度後半に実施予定の研修プログラムの開発及び予備研修プログラムの試行前までに完了させる予定である。人材育成の現状と課題に比較し、職業性ストレス簡易調査、職務ストレス、日本語版UWESは回答率が低いため、更に使用できるデータの範囲が限られると思われる。 一方、アンケート回収の際に調査結果の報告を希望するものが数名認められ、現場における問題意識の高さを感じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
海外研究協力者を予定していた1名が体調不良のため、研究分担者を追加する形で対応した。しかし、8月末に海外研究協力者が亡くなったため、一時的ではあるも研究の進行が遅延する形になった。 アンケート調査が当初初年度の1月には回収する計画であったが、3月末の回収まで遅れてしまった。現在、アンケートのデータ入力・分析を進めており、平成29年度の計画については遅くとも夏~秋にかけて実施が可能な状況である。以上の経過から、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、プログラム開発のためにアンケート分析結果について、就労支援施設利用経験者、就労支援を実践する支援者、対話型アプローチ研修のトレーナーらから意見をもらい、予備プログラムの試行に向けて準備をする。現時点では、個別の面接または集団での面接での意見聴衆を計画している。 また、予備プログラムの試行については、海外研究協力者の移動を配慮し、気候のよい時期の研究分担者の協力を得てアクセスの良いエリアでの実施を計画している。 なお、遂行上の課題としては、進捗状況が遅れているため、平成29年度に計画しているアンケート分析結果の意見聴取の開始が、予定よりも遅れ、結果として予備プログラムの試行も遅れる可能性がある。対策としては、意見聴取について、個別のみではなく集団での聴取、インタビューからアンケートへの実施方法の変更等が考えられる。意見聴取の時間が節約できれば、予備プログラムの試行は予定通り実施できると考えられる。
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Causes of Carryover |
アンケート発送に関する消耗品の一部について、大学での個人研究費を使用して購入したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度の意見聴取の際の旅費またはアンケート郵送料に使用する予定。
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