2016 Fiscal Year Research-status Report
社会福祉領域における実践・行政・調査ビッグデータの構築とプログラム評価
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16K13443
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
斉藤 雅茂 日本福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (70548768)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 社会福祉領域 / ビッグデータ / プログラム評価 / 実践・行政データ |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度にあたる28年度には、社会福祉領域の実践・行政・調査ビックデータの構築に向けて、以下の点に着手した。 (1)行政(介護保険)データを中心としたプログラム評価:介護保険制度における要介護認定・給付・賦課情報に関する分析・評価研究の対象自治体を確定し、当該地域の関連データを個人単位で分析可能な形に加工する作業に取り掛かることができた。また、当該自治体との間で「介護保健の政策評価及び社会疫学研究に関する研究協定」を締結し、本研究を進める基盤を整えることができた。並行して、日本老年学的評価研究(JAGES)プロジェクトと連携し、要介護認定の経年変化パターンに関する分析にも着手することができた。 (2)社会福祉実践データと認定データによるプログラム評価:愛知県常滑市において、市・社会福祉協議会・包括支援センターの協力のもと、ボランティア活動情報(スマイルポイント事業)などの社会福祉実践データと要介護認定データによるプログラム評価研究に着手した。当該地域では、JAGESプロジェクトによる調査データもあるため、個人単位での結合作業にも着手している。当初計画していた兵庫県芦屋市や愛知県豊橋市をはじめ、その他の地域については適宜、共同研究の可能性を調整・検討する。 (3)大規模パネル調査データを中心したプログラム評価:質の高い調査データを収集・蓄積するためにJAGESプロジェクトと連携して3時点目となる大規模高齢者パネル調査を実施することができた。既に収集されている2010年と2013年のパネルデータに基づいて、協力研究者とともに論文執筆に着手することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「社会福祉領域の実践・行政・調査ビックデータの構築」に向けて、当初の予定通り「おおむね順調に進展している」といえる。 行政(介護保険)データを中心としたプログラム評価に関しては、対象自治体との合意が取れ、「介護保健の政策評価及び社会疫学研究に関する研究協定」を締結し、本研究を進める基盤を整えることができた。今後、当該地域の関連データを個人単位で分析可能な形に加工・クリーニングする作業に取り掛かる。 社会福祉実践データと要介護認定データ等を結合したプログラム評価に関しては、当初予定していた自治体とは異なるが、上記自治体において合意が得られ、行政・社会福祉協議会・包括支援センターの協力のもとボランティアのポイント制度(スマイルポイント制度)についての予備的な分析に着手した。現地での報告会を行い、継続して分析していくことを確認した。今後、ポイント制度登録者と日本老年学的評価研究(JAGES)プロジェクトによる調査データと結合し、評価調査を実施していく予定である。大規模パネル調査データを中心としたプログラム評価に関しては、JAGESプロジェクトと連携して実施した大規模高齢者パネル調査は滞りなく終了することができた。今後、既に収集されている2時点(2010年・2013年)パネルデータに加えて、3時点(2010年・2013年・2016年)パネルデータを整備し、協力研究者とともに論文執筆に着手していく。本年度には7本の論文を発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目(平成29年度)以降には、課題それぞれについて、順次、収集されたデータに基づいた分析・プログラム評価に着手し、成果の学会発表・論文化を進める。とくに平成29年度には、多時点の要介護認定・給付・賦課データに基づいて、介護サービスの提供実績と利用格差の変化に関する分析に着手する。それと並行して、介護保険データと社会福祉実践データを統合したデータセットに基づいて見守りなどの生活支援による介護予防効果ないし介護費用への影響を検証する。ついで、平成29年度後半から平成30年度にかけて、パネル調査データと介護保険データを統合したデータセットに基づくプログラム評価に着手する。とくに、パネル調査データについては、介護保険データとともに多時点の情報があることを活かせる潜在成長曲線モデルや自己回帰モデルなどのより高度な統計解析手法も採用し、保健・福祉ニーズの変化や社会経済的地位による格差を検証する。並行して、行政職員や関係機関へのフィードバックとともに、3年間の取りまとめとしてビッグデータ構築上の留意点を整理する。
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Causes of Carryover |
28年度に質の高い調査データの収集・蓄積を目指して、JAGESプロジェクトと連携のうえ、2010年・2013年に続く3時点目の大規模高齢者パネル調査を実施した。実施は外部機関へ依頼したが、予定していた費用より低く抑えることができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度、行政データを中心としたプログラム評価を実施する。その際に関連データを個人単位で分析可能な形にする加工・データクリーニングが必要となるためその費用に充てる予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Community social capital and oral health in Japanese older people: longitudinal cohort study2016
Author(s)
Koyama Shihoko, Aida Jun, Saito Masashige, Kondo Naoki, Sato Yusuke, Matsuyama Yusuke, Tani Yukako, Sasaki Yuri, Kondo Katsunori, Ojima Toshiyuki, Yamamoto Tatsuo, Tsuboya Toru, Osaka Ken
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Journal Title
BMJ Open
Volume: 6
Pages: 51
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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