2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analyzing and addressing malicious consumer complaints
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16K13463
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
桐生 正幸 東洋大学, 社会学部, 教授 (40434964)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 悪質クレーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、小売店や企業の消費者窓口における「悪質なクレーム」の分析から、犯罪心理学的視点による適切な対応などを検討するものである。これまで、文献調査や聞き取り調査により、大学生に対する予備調査などを行い、それら結果を、国際学会や紀要論文などで報告した。また、研究会も24回開催して、実務家との意見効果などを行った。 2019年度は、企業の消費者窓口担当者との研究会を13回開催し、具体的な対策に関する方法について検討を行った。それら検討の成果についてメンバーが中心となり、2020年6月に日経出版から書籍「クレーム対応(仮)」を出版する予定である。なお、この本の出版において桐生は、アドバイザーとして関わった。また、誠信書房より9月出版予定の学術書「心理学から見た社会(仮)」の担当章にクレームに関する執筆を行った。 次に、研究成果の発表である。11/8、日本法科学技術学会学術会議にて研究成果を発表した。タイトルは「Web調査による消費者の苦情行動の分析」である。加えて、11/13、消費者窓口担当者会議ACAPの研究会にて悪質クレーマー対策に関する講演を行った。企業の担当者との意見交換も行ったところである。 最後に、Web調査による悪質クレームの調査を実施し、その結果を分析している。悪質なクレーム行動に関係すると考えられる心理尺度と、クレーム行動の経験の有無、経験がある場合の状況などに関して質問を行った。その結果、回答者2060名中924名がクレーム行動があると回答した。また、クレーム行動の中でも、大声を上げた(6.8%)、一方的に話した(7.5%)、攻撃な話し方をした(7.7%)といった回答者があった。これらの結果を踏まえ、悪質クレームに関する心理学的要因を検討しているところである。
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