2017 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring roles of language on emotion generation
Project/Area Number |
16K13465
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
余語 真夫 同志社大学, 心理学部, 教授 (90247792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 明哲 同志社大学, 文化情報学部, 教授 (60275469)
大平 英樹 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (90221837)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 感情 / 概念 / 文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,主として日本人大学生,さらに中国人大学生,韓国人大学生,それぞれ800名余りの協力を得て,「感情」という上位概念に内包される下位概念とそれらの意味的・帰納的ネットワークを可視化するため,言語情報を収集し,テキストマイニング技術で数理処理を試みた。 平成28年度には日本人大学生に「感情」という上位概念に内包される下位概念となる言葉を1分間の自由連想法で列挙する課題を実施した。言葉の出現頻度と言葉の連鎖のネットワーク分析を行った。その結果,日本人の感情概念のハブとなる感情概念(例えば悲しみ,うれしい,など)と周辺的感情概念の体制化を俯瞰することができた。 平成29年度には日本人大学生(京都府),中国人大学生(広州省・山東省),韓国人大学生(ソウル)の協力を得て,前年度と同じ自由連想課題を行い,さらに「感情エピソード」の記述,パーソナリティ検査(アレキシサイミア,ビッグ5)のデータを収集した。日本人大学生から取得したデータによるネットワーク分析の結果は過年度の分析結果を追認するものであった。そのことから,所与の言語文化圏における「感情」概念の認知的体制は比較的頑健に構築されていることが示唆される。中国人大学生,韓国人大学生のデータは現在分析途中であるが,それぞれの言語文化に固有の言葉と概念体制の構築がなされている様子が現時点で認められる。このことは,言語文化は異なっても「感情」は通文化的に認識され表現されるという伝統的な心理学の見解の信ぴょう性を揺るがすものである。 平成29年度には日本人大学生の協力を得て,顔の表情写真刺激に対する感情の解読を自然言語によって調べた。その実験のデータは解析途中である。
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