2016 Fiscal Year Research-status Report
共感的態度のバイオマーカーの探索とカウンセリングにおける有効性評価
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16K13488
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
川道 拓東 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 客員研究員 (30596391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 翔 早稲田大学, 理工学術院, 日本学術振興会特別研究員 (80723428)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | カウンセリング / 共感的態度 / fMRI / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトが他者に対して示す共感的態度は、他者とのスムーズな社会的交流を可能にすることを通じて、カウンセリングの有効性を高める、重要なカウンセリング技法の一つである。本研究では、自然な社会的行動を遂行中の二者の脳活動の同時計測が可能なdual-fMRIを活用して、共感的態度の有効性を示すバイオマーカーの探索を目的としている。 本年度は、実験室環境下における共感的態度の惹起、および、その神経基盤の計測を目的とした実験を実施した。本年度の実験においては、dual-fMRIを用いて、20組の同性の初対面のペアを対象にして、自らの意見を開示する実験課題を開発し、実施した。結果として、聴き手側の行動データの変容から共感的態度の発露があることを確認した。さらには、SPM 12(Statistical Parametric Mapping)を用いた解析により、共感的態度の発露に関わる神経基盤(楔前部)についても明らかにした。一方で、共感的態度の発露が見られない時には、前帯状回などのpain matrixの活動が惹起されることも併せて確認した。さらには、二者間の脳活動の同調性評価するための解析についても取り組んだ。 これらの知見は、カウンセリングにおいて重要な共感的態度の発露を表象する神経基盤を、dual-fMRIを用いた二者の社会的交流課題において確認したものである。そのため、共感的態度の有効性を示すバイオマーカーの探索において重要な成果となるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
dual-fMRIを用いて、実験室環境下における共感的態度の発露とその神経基盤を確認することができた。よって、当初の計画通り進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り進んでいるため、当初の計画通り進める。昨年度得られた実験結果に対して、二者間の同調性評価に関する解析を加速し、論文化につなげる。さらには、こうした共感的態度の有効性が与える影響についての評価が可能な実験系を構築し、追加実験を実施する。
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Causes of Carryover |
当初計画していた解析を実施したところ、論文化に向けて追加の解析の実施の必要性が判明した。そのため、論文化に関わる予算を昨年度使用しなかったことが理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
追加解析完了後に、論文化を進め、その際の英文校正・投稿費用として使用する。
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Research Products
(3 results)