2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a support model for "can't challenge" university students: Activation of development promotion function provided in university
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16K13490
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
森田 健一 帝塚山大学, 心理学部, 准教授 (50634888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東畑 開人 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 講師 (30747506)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 学生相談 / ピア・サポーター / 居る / 高等教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「現代」という時代性を踏まえ、高等教育における学生への支援はいかなるアプローチが適切なのかという問いをめぐって遂行してきた。 前年度までで得られた知見をふまえ、研究代表者は大学生が「挑戦できる場」を実際に設定し、活動を始めた。学生が他学生を支援するピア・サポート活動をその機会とし、投稿型相談への回答を活動の中心とした。学内で実施するために必要となる各部署への活動許可申請から始め、学生への周知活動、実際の相談への回答など全ての活動において、研究代表者は学生の積極的な活動を補佐すべく努めた。前年度までの研究より、現代の学生に対して主体性を育むよう働きかけるには、ただその場を与えるのみではなく、支援者もまた同じ土俵の上でともに苦悩し、葛藤を受け止め乗り越えていく過程が重要であることがわかっており、それを強く意識して活動を進めた。特に、支援者が常に学生とつながり、いつでも味方でいるということ、そしてピア・サポート活動の「場」自体を大切にするということが、積極的な挑戦の場を生む土壌となることが確認された。 共同研究者は、現代における「居る」ことの意味をめぐる研究を進めた。精神科デイケアを中心に、インターネットを介した支援活動、当事者研究など幅広いフィールドで調査を進め、ただ「居る」ということがいかに難しい課題であるかをまとめ著書として発表した。本研究課題における「挑戦する」という行為と一見正反対に見える「ただ居る」という行為であるが、この時代の中で「ただ居る」という安心感を基盤にもってはじめて、「挑戦する」という能動的な行為に意味が見出されるように思われた。 現代の大学教育ではアクティブ・ラーニングをはじめとする積極的な学びが推奨されているが、その基盤として「居る」ということ、大学生としての存在をそのまま生きるということを尊重する視点が支援者には必要ではないだろうか。
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Research Products
(3 results)