2018 Fiscal Year Annual Research Report
Psychological, educational, and career developmental support for the disaster victims based on the new trauma definition.
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16K13492
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鈴木 伸一 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00326414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 大輔 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (20631089)
小関 俊祐 桜美林大学, 心理・教育学系, 講師 (30583174)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 震災被災者支援 / トラウマ性障害 / 統合的支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は,研究3として,急性期以降の要支援者の諸特徴に基づいた統合的支援のあり方の提案を目標として実施した。まず,被災後の中長期的観点から,被災者の状態を踏まえて健康増進効果の期待される心理プログラムをオープントライアルで実施し,質問紙を用いた量的検証と,主観的報告に基づいた質的検証を行った(小関・土屋,2018;土屋・大谷ら,2018)。さらに,被災地域学校の教職員に対するインタビューや意見交換会を開催し,心理的側面の改善だけではなく,学校や家庭内への適応や就労に関する将来展望を持つという中長期的視点に立脚した新たな心理・教育・就労の統合的な支援について検討した(土屋・伊藤ら,2018)。以上の検討を通して,認知行動療法を基盤とした集団心理的支援プログラムには,一定の有効性があることが確認された。さらに,本研究課題で得られた知見に基づき,就労場面における統合的支援プログラムを開発し,生活の健全化と安定化が困難になるリスクファクターの1つであるうつ症状が高い傾向のある者を対象とした集団認知行動療法を実施し,その有効性を実証した。また,これらの成果の社会的な発信を目的として,「トラウマ対処・ストレスマネジメントのための学校・学級集団で使える認知行動療法実践集」という小冊子を作成し,岩手県のすべての高等学校に配布するとともに,ウェブページにて公開した。以上のことから,新たなトラウマ定義に基づく震災被災地域の要支援者への心理・教育・就労の統合的支援の具体的方略を提案するとともに,その成果を広く社会や地域に還元することができたと考えられる。
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Research Products
(3 results)