2018 Fiscal Year Annual Research Report
Light UP: Development of low-intensity transdiagnostic cognitive behavior therapy for depression and anxiety
Project/Area Number |
16K13500
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
伊藤 正哉 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 室長 (20510382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹林 由武 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00747537)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 認知行動療法 / 統一プロトコル / 診断横断 / 低強度 / うつ病 / 不安症 / 本来感 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高強度療法を実施する前に、うつや不安の問題に対して幅広く使えるような、シンプルな認知行動療法をステップドケアに照らして開発することを目標とした。具体的には、感情障害に対する診断横断的治療のための統一プロトコルのこれまでの研究実績を踏まえて、(1)統一プロトコルを低強度版にした “Light UP”のコンテンツを日本文化・臨床現場に合う形で開発し、(2)Light UPの実施可能性と有効性を検証する臨床試験の実施を目的としていた。 平成30年度は、(1)については、既存の研究で収集してきた臨床データを多角的に二次解析して発表し(Bartel et al., 2018, Gomez et al., 2018)、さらに次年度以降の発表準備を進めた。これらの二次解析では、日本人の社交不安患者の社交不安症状に対して本来感が媒介的な影響を持つことを明らかにしたり(Bartel et al., 2018)、マインドフルネス傾向の特徴によってうつや不安の重症度が異なることが示された(Gomez et al., 2018)。 目的(2)については、前年度の成果を踏まえつつ、インターネットを通した治療や、読書療法によるセルフヘルプへの拡張性を考慮した、UPの内容をわかりやすくつたえるワークブックの開発を進めた。前年度に引き続き、ワークブックの暫定版を用いて、日本国内の臨床家や訓練生20名以上からのヒアリングを得て、ワークブックのブラッシュアップを行った。ワークブックでは、イラストやイメージを多用し、想定する読者(うつや不安の問題を持つ幅広い対象)に受け入れられやすいよう体裁の工夫を施した。
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