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2016 Fiscal Year Research-status Report

虚偽検出の基準となる質問表作成-最新の装置で調べる犯行時の記憶とは?―

Research Project

Project/Area Number 16K13510
Research InstitutionKansai University of International Studies

Principal Investigator

中山 誠  関西国際大学, 人間科学部, 教授 (60554988)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
KeywordsCIT / 精神生理学的虚偽検出 / 裁決項目の選択基準 / 模擬犯罪 / 心拍率 / 皮膚伝導度反応 / 呼吸運動
Outline of Annual Research Achievements

Concealed information test(CIT)はウソ発見というよりも、犯行内容の詳細事実に関する認識の有無を判定することで事件との関連性を明らかにする精神生理学的虚偽検出の手段である。本研究では真犯人であれば確実に覚えていることを踏まえて、裁決項目の選択基準を明らかにし、CITのガイドライン作成を目的としている。そこで、まず、統制された実験的場面で質問作成を検証するために、模擬犯罪場面を設定し、模擬犯罪中の生理反応(心拍率・皮膚伝導度反応・呼吸運動)を測定して、犯行内容の記憶定着におよぼす注意の効果を検討した。また、模擬犯罪中に起きる、実験参加者にとっては予期しなかったイベントの発生が、犯行記憶を阻害する効果についても明らかにすることを目的として、26名の実験参加者を募って実験を実施した。
その結果、模擬紙幣の置き場所についてはもっとも記銘成績が良く、一方、紙幣の入れ物名や、入れ物の色に関する情報にはきわめて多くの誤情報が混入することが判明し、犯罪捜査の実務検査で使用するべき裁決項目の選択について重要な示唆が得られた。
また、模擬犯罪の行動中、注意の高まりを示す呼吸運動抑制や心拍率の低下は、後日の聞き取り調査で正確な記憶再生と結びつきが強いことが判明した。しかしながら、予期せぬイベントの発生が記憶を阻害する効果については、設定したイベント(突然室内でなり出し数十秒継続するアラーム音の発生)が、実験参加者にとって、驚きと警戒感さらには焦燥感をもたらさなかったので、今後、場面を新たに設定し直して検討する必要があることが明らかにされた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

窃盗事件の質問作成については、当初の計画通り、室内の複数の場所に隠された模擬紙幣を探索するという、空き巣事件の設定で模擬犯罪を実施した。実験参加者には模擬紙幣の隠し場所や、隠した枚数は知らされておらず、また探索する制限時間を10分として、実務場面にきわめて近い犯行現場を設定するとともに、見つけた枚数に相当する動機づけ(報酬)も約束されていた。したがって、実験参加者の覚醒度が高い状態で行った模擬犯罪について、実施から7日以上経過したのちに聞き取り調査を行うこととしたが、実験参加者の注意と記憶定着の効果については、これまでに明らかにされていなかった結びつきを検証することができた。特に、室内での現金の置き場所の位置はきわめて正確であったので、犯罪捜査でも使うことが奨励されるが、色の情報が記憶に残りにくいことが確かめられたこと重要である。

Strategy for Future Research Activity

犯罪の発生時に起きる予期せぬイベントの効果が、犯行時記憶の阻害もしくは覚醒の伴う記憶の促進をもたらすかどうかについて検討する必要がある。これは、空き巣の犯人が、突然帰宅した家人と遭遇する場面に相当するが、このような場合には驚き慌てていまい犯行時の記銘が低下することが予測される一方、犯行をごまかすために懸命になって言い訳を考えるなどの負荷の高い情報処理を行うのでかえって記銘が促進されることも予測される。
また、犯行を単に目撃したことにともなう記憶と、犯罪者として自ら実行した場合の記憶の違いがCITにおよぼす効果についても検証する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2017

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] CITの質問作成の検討2017

    • Author(s)
      中山 誠
    • Organizer
      日本生理心理学会
    • Place of Presentation
      江戸川学園大学
    • Year and Date
      2017-05-27 – 2017-05-28

URL: 

Published: 2018-01-16  

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