2018 Fiscal Year Annual Research Report
Preparation of questionnaire for a detecting deception
Project/Area Number |
16K13510
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Research Institution | Kansai University of International Studies |
Principal Investigator |
中山 誠 関西国際大学, 人間科学部, 教授 (60554988)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 情報検出 / 犯行時の記憶 / 心拍率 / 非限定項目 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回は、計画中のテロ事件について、事件内容の詳細を捜査当局が詳細を把握していない場合の質問方法について検討した。用いた質問表は、裁決項目が含まれていない場合も考慮して、探索型のconcealed information test(SCIT)に非限定の項目(catch-all item;以下ca項目)を加えた方式であった。実験参加者は50名で、有罪群は最初に別室に行き、テロ攻撃の対象施設と、手段について動画を再生して指示を受けた。また、無罪群はクルージングで観光する動画を見せられた。 実験室に戻ると、全員がテロ攻撃に関する虚偽検出の実験を受けるように依頼された。指標は皮膚コンダクタンス反応、呼吸曲線長、心拍率の3種類であった。質問内容は、テロ攻撃の対象として、選手村・スタジアム・歩行者天国・地下鉄・遊園地・それ以外、手段として機関銃・ロケット弾・毒物・トラック・航空機・それ以外であった。有罪群の全員に対し、対象施設もしくは手段のいずれか一方には裁決項目が含まれている標的あり系列となり、他方には裁決が含まれていない標的なし系列であった。無罪群については標的ありなし系列とも、無関係な項目ばかりが連続する質問表となった。 その結果、有罪群では標的あり系列には他の項目に比べて有意に大きな生理的変化が生じ、標的なし系列では非裁決に比べて、ca項目に対して顕著な生理的変化が生じることが確かめられた。なお、無罪群については裁決・ca項目に対して、非裁決よりも明確な反応が生じることがないことが確認された。 探索型SCITの場合、裁決が含まれていないことも実務場面では予想されるが、そのような場合でも、ca項目を入れておくことによって、フォールスネガティブの誤判定を招く可能性が少ないことが明らかにされた。
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