2019 Fiscal Year Annual Research Report
Educational program with language arts for improving medical information transmission ability
Project/Area Number |
16K13513
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
野坂 大喜 弘前大学, 保健学研究科, 講師 (80302040)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 言語技術 / ノンテクニカルスキル / 医療安全 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】医療インシデントの約半数はノンテクニカルスキルエラーに起因すると報告されている。我々が行った調査において医療系学生は専攻分野を問わずノンテクニカルカルスキルレベルが低く、医療安全管理教育上の共通課題であることが明らかとなっている。「言語技術」とは情報解釈と伝達において、思考を論理的に組み立て伝達相手に対し理解しやすく表現する技術であるが、医療系学生教育に取り入れた報告はなく、その教育手法も確立していない。 【目的】本研究の目的はノンテクニカルスキル向上のための医療者向け言語技術教育プログラムの開発である。 【方法】対象はH大学1年次学生(理系・文系の全学部)と3年次学生(臨床検査学生)の40名とし、1年次学生に対しては三森ら(つくば言語技術研究所)が開発した速修言語技術テキストを用いて学部共通言語技術教育プログラムを、また3年次学生に対しては本研究において開発した言語技術テキストを用いた医療者向け言語技術教育プログラムを実施した。言語技術スキルは受講前後にそれぞれノンテクニカルスキルテストを行いスコア化して正答率を比較した。 【結果】学部共通言語技術教育プログラム、医療者向け言語技術教育プログラムともに、ノンテクニカルスキルは有意(p<0.05)に向上した。学部共通言語技術教育プログラムと医療者向け言語技術教育プログラム間での効果に有意差は認められなかった。 【考察】短期間の言語技術教育によりノンテクニカルスキルは大きく向上し、受講後の学生の自己評価においても大きな向上効果が認められた。ノンテクニカルスキルはその必要性はクローズアップされているものの、義務教育や高等教育を通じて体系的な教育を受けた学生はいないことが低スキルの原因と考えられる。今後、本プログラム受講者についての医療安全管理スキルについて継続的な調査を行い、医療安全上の教育効果の解明が必要である。
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