2017 Fiscal Year Research-status Report
質的研究法を用いた若手教師の授業力向上プログラムの開発
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16K13514
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
新井 英靖 茨城大学, 教育学部, 准教授 (30332547)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 質的研究 / 教師の専門性 / ベテラン教師 / 若手教師 / 特別支援教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は若手教師が専門的力量を向上させるためにどのような学修プログラムが必要であるのかという点を明らかにすることを目的としている。研究2年目である平成29年度は、教師になるためにどのような力が必要であるのかについてアンケート調査を実施し、その結果を論文にして公表した。具体的には、特別支援学校教員養成課程で学ぶ学生の学修ニーズを調査した結果、教育学部で学ぶ学生は、人の話に耳を傾け、柔軟性をもって「チームで働く力」については得意と考えている一方で、創造力や発信力については苦手意識をもっている学生が多かった。 特に、教育現場に出向く経験が蓄積されてくる大学2年生や3年生にそうした傾向が顕著に見られ、授業参観や子どもとふれあう機会があったことで「不安」が増大している学生もいることが明らかになった。こうした不安を抱いている学生は、たくさんの実践経験を蓄積することだけでなく、自らの得意・不得意を意識しながら教材開発や指導方法を学ぶことが必要であると感じており、こうしたニーズに対応したカリキュラムづくりが今後、求められると考えた。 また、教育現場でベテラン教師の授業技術について質的研究を進めたところ、学習課題を文脈化して子どもに提示する力や、子どもの「つぶやき」を拾い、授業課題とつなぎながら他者と関係づける指導技術を有していることが明らかになった。これらのベテラン教師の専門的力量については平成30年度に論文として公表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度中にアンケート調査および授業分析のためのデータ収集をおおむね終了することができ、その一部を論文化することができたため。また、このデータを用いて平成30年度に論文として公表できる準備が整ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に収集したデータを確実に論文にする。そのために、平成28年度から進めてきた先行研究と今回得られたデータを比較検討する時間を多く取り、研究最終年度に研究のまとめを行いたい。
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Causes of Carryover |
平成30年度は研究最終年度であるが、一部、収集できていない研究資料を購入する経費が必要であることに加えて、調査研究の結果を学会等において報告するための旅費が必要である。また、最終年度に研究成果報告書を作成し、印刷・製本するための経費が必要となる。そのため、29年度の経費の一部を繰り越して、30年度に使用したいと考えた。
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Research Products
(8 results)