2019 Fiscal Year Annual Research Report
International Comparative Study of "Successful Principals": Australia, New Zealand and Japan
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16K13515
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 博志 筑波大学, 人間系, 准教授 (80323228)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 校長のリーダーシップ / 学校経営 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、最終年度に実施した研究の成果について述べる。本研究は「成功した校長」の力量と行動を解明することであった。最終年度では、オーストラリアで調査を行ったため、いくつかの進展があった。 第一に、オーストラリアにおいて、「成功した校長」の力量と行動について調査した。その結果、オーストラリアでは、学校の裁量を活用し、ビジョンを策定し、教室と児童生徒の学習成果の変革に向けてリーダーシップを発揮していることが分かった。さらに、オーストラリアでは、エビデンスインフォームド、リサーチインフォームドという概念が使われて、経験則だけでなく科学的知見(理論やデータ)も活用していることが分かった。また、オーストラリアの教育行政機関は、学校の経営計画やデータをオンラインで集約・分析し、分析結果を学校に示していることもわかった。 第二に、「成功した校長」の研究フレームを調べるために、「成功した校長」に関連する海外のジャーナル掲載論文及びメルボルン大学の関連するすべての博士論文を収集、分析した。その結果、現象を時系列的に描いていく方法ではなく、文脈、課題、リーダーシップの種類に分けて項目を立てて、論文を作成する方法であることがわかった。この点は、今後の英語による論文執筆について役に立つと思われる。 次に、研究期間全体を通じて実施した研究成果について述べる。初年度は、海外の「成功した校長」の研究を分析するとともに、研究フレームを作成した。そして、日本の学校の調査を行うとともに、オーストラリアやニュージーランドの学校経営の状況についても情報を手に入れた。二年目以降は、海外の「成功した校長」の研究グループにも参加し、多様な情報を入手できるようになった。これらの結果、論文を完成、公表するとともに、海外における研究発表も行うことができた。このような研究実績をもとに今後も努力して行きたい。
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