2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of National Achievement Survey Data Using an Alternative Indicator to Socioeconomic Status: From viewpoint of low academic achievement as a phenomenon
Project/Area Number |
16K13524
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
諏訪 晃一 大阪大学, 人間科学研究科, 招へい研究員 (50440962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 一宏 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (80273564)
前馬 優策 大阪大学, 人間科学研究科, 講師 (00632738) [Withdrawn]
原田 琢也 金城学院大学, 人間科学部, 教授 (10707665)
柏木 智子 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (90571894)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 現象としての低学力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「都市部の公立学校における『極端な低学力』」を、「地域社会における家庭や子どもの困難が可視化された現象」と捉えた上で、「極端な低学力の学校」が抱える複合的な困難の実態を把握することを目的としていた。 実施の過程においては、研究代表者・研究分担者・研究協力者からなる研究会(通称「CD研」)を組織し、複数回の会合を実施したほか、お互いの主たる研究フィールドを相互に訪問する活動も実施し、ひとつの現場の実態を複数の視点から検討することができた。こうした研究活動を通じて、「都市部の公立学校における『極端な低学力』」の背景には、「地域社会における家庭や子どもの困難」と、そこからくる学校経営上の困難があることが改めて確認できた。ただし、そうした学校現場の実態は、状況が深刻であればあるほど、外部に対して具体的な内容を報告しにくくなる、という研究上の困難も、改めて浮き彫りになった。 そのため、本研究では、フィールド調査自体は継続しつつも、理論面での研究や、フィールド調査以外の形で学力問題にアプローチする方法について検討を進めた。その成果の一部として、最終年度には、国際学会での学会発表を行った。具体的には、都市部の公立学校のうち、学力調査の結果を公表している学校についてデータの収集した上で、学力調査の平均正答率と社会経済的背景(SES)の関係についての分析を行った。 学力と社会経済的背景の強い結びつきはすでに広く知られているが、日本国内の学力調査では、社会経済的背景に関するデータが採られていないことが多く、従来は、社会経済的背景を踏まえた分析を行うことは容易ではなかった。しかし、今回の研究を通じて、学力調査で社会経済的背景に関するデータが採られていない場合でも、先行研究に基づき公開データを社会経済的背景の代替指標として用いることで、それを代替できることが確認できた。
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