2018 Fiscal Year Research-status Report
項目反応理論に基づく途上国における基礎学力測定のためのテスト開発に関する研究
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16K13528
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
谷口 京子 名古屋大学, 国際開発研究科, 学振特別研究員(PD) (10773012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 容子 関西医科大学, 看護学部, 助教 (10757173)
平川 幸子 広島大学, 国際協力研究科, 准教授 (80314780)
光永 悠彦 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (70742295)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 項目反応理論 / 学力測定 / 学力 / 開発途上国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、これまでのデータの整理と分析を行い、エチオピアでマラウイとガーナと同じ調査を実施した。 マラウイのデータを項目反応理論を用いて、分析を行った。マラウイのデータは、現地語のチェワ語、英語、算数、ライフスキルの4科目(各科目10項目)のテストを5年生2091名と7年生に実施したものである。5年生の結果は、チェワ語の問題項目の困難度は-1.864~0.898であり、比較的に易しい問題項目が多かった。識別力は概ね高い値であったが、低い問題が2問あり、検討が必要である。英語の問題項目は、困難度と識別力はばらつきがあり、難易度が高い問題から低い問題まで比較的バランスよく出題できていたが、識別力が低い問題は検討が必要である。算数の問題項目は英語と同様に、困難度と識別力にばらつきがあった。一方、7年生の結果は、チェワ語、英語、算数ともに、困難度が全体的に低く、易しい問題項目が多かった。また、困難度や識別力が低いすぎる問題項目が幾つかあり、検討が必要である。本結果の一部は、日本テスト学会、日本国際開発学会、米国比較教育学会で発表した。今後、さらに分析を進めていく予定である。 ガーナのデータは、データの入力とクリーニングが終了したので、今後分析していく予定である。 2019年3月に、エチオピアで現地調査を実施した。マラウイとガーナと同じテスト問題を使用した。小学校3校で実施し、各約300名の4年生と6年生からデータを収集することができた。今後、データを入力し、分析していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、出産・育児休暇取得のため、一年間延長している。 本年度は、昨年度実施できなかったエチオピアでの現地調査を実施することができた。延長した一年で、得られたデータを整理し、分析をする予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
マラウイ、ガーナ、エチオピアの3ヶ国のデータが揃ったので、今後、分析を進めていく。各国での分析と3ヶ国を比較した分析が可能である。得られた結果は、国内外の学会で発表し、論文にまとめ、国内外の雑誌に投稿する。
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Causes of Carryover |
本研究は、当初3年の予定であったが、出産・育児休暇取得により、一年間延長した。そのため、次年度に繰り越しが生じた。 次年度は、本年度取得したエチオピアのデータ入力、3ヶ国のデータが揃ったので、分析を行い、結果をまとめ、学会発表及び雑誌に論文投稿を行う。
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Remarks |
日本テスト学会 大会発表賞 項目反応理論に基づく等化を用いた児童の学力追跡分析―マラウイの事例から. 2018年12月8日.
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