2018 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical and practical research on teacher's self-reform :International comparison of 'self denial' reflections
Project/Area Number |
16K13530
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田上 哲 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (50236717)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自己否定 / 教師の自己改革 / 省察 / 人間形成 / 自己形成 / 例外的事例 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の調査(日本国内、大韓民国ソウル市、中華人民共和国上海市における教師にとって「都合の悪い子ども」「苦手な子ども」に関する聞き取り調査および日本における民間教育研究団体に所属している小学校中学校の教員に対する同様の聞き取り調査)を踏まえて、教師の自己改革とそれを促す「自己否定」的省察についての理論的な整理と現段階でのまとめを行なった。 具体的には、まず、口頭研究発表として、2018年9月29日に和歌山大学で開催された日本教育方法学会第54回大会で(田上哲・池田竜介・茂見剛 2018)「教育実践研究における事例に関する研究―例外的事例と省察の「自己否定」的方向性―」というテーマで発表を行なった。これは、子どもの事例に加えて、広く教育実践の例外的事例をもとに教師が「自己否定」的省察することが教師の自己改革を促すことになることを論証したものである。 また、論著として、問題解決学習に関わるもの2編(田上哲(2018)「問題解決学習の理論と実践」、田上哲(2019)「問題解決学習における経験と覚悟」)と教師のコミュニケーションと子どもの学びに関するもの1編(田上哲(2018)「教師のコミュニケーション能力を問い直す-主体的に対話的に深く「学ぶ」こと」)、教育における個と集団の問題に関わるもの1編(田上哲(2019)「経験主義の社会科における個と集団の問題」印刷中)を執筆した。 これらの論著は、本研究のいう「自己否定」的省察の理論的端緒となった上田薫の「動的相対主義」の思想、ならびに本研究を展開するなかでその関係が徐々に明らかになった、上田に深く影響を与えたものとして西田幾多郎の哲学を踏まえて、教師の自己改革に「自己否定」的省察が必要であることともに。より普遍的に人間形成/自己形成としての教育に「自己否定」が必要であることを論じたものとなっている。
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