2017 Fiscal Year Research-status Report
近代初期の言語生活と言語教育の研究-「かなのくわい」における実験と展開-
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16K13532
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
田鍋 桂子 明海大学, 外国語学部, 講師 (30700223)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | かなのくわい 文献集 / 大槻文彦 / 国語国字運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究計画として挙げていた「かなのくわい 」の発行資料の収集・整理及び分析は以下のように行った。
本年度は主に東北大学附属図書館の大槻文庫に所蔵されている「かなのくわい 」関係資料を対象として、調査、研究を行った。資料について、書誌、資料内容概要、文体、その他についてデータベース化を進め、ほぼデータベースが完了した。 細かい資料が多く、全てを調査対象とすることが予算と時間上、難しいため、特に資料的価値が高いと思われる資料について対象を定め、現在、写真撮影を依頼中である。 また、読売新聞に記載されている「かなのくわい 」の活動記録及び広告類についても、データを収集し、山本(1965)で記載されている会の活動と照合を行い、大筋においては、ほぼ誤りがないことを確認した。そのほか、早稲田大学附属図書館に所蔵されていた「かなのくわい 」資料について検討を行い、日下部重太郎の『現代国語思潮』(1930)の基礎資料となっていたこと、東北大学に残されている大槻文庫資料とは別物である可能性が極めて高いことも明らかとなった。さらに、かなのくわい の学校の運営状況についての資料について、データベース化と調査を進めている。地方会員と会報の存在も具体的に明らかとなった。いくつかの資料についてはこれまで具体的には発掘されていなかったものもある。また、そのほかにもこれまで知られていなかった何点かの新資料を発掘した。これについても来年度引き続き研究を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
早稲田大学附属図書館に所蔵されている資料目録との照合及び人物関係の調査に時間を費やした。資料目録はデータ化済みである。
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Strategy for Future Research Activity |
手紙の翻刻については、分析を進め、今年度公開を予定している。 また、今年度はかなのくわい の学校について、特に調査、分析を急ぎたい。
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Causes of Carryover |
細かな資料が多く、貴重書でもあることから、本人がデータ入力を行い、人件費を使用することがなかった。
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