2019 Fiscal Year Annual Research Report
Implementation Process of Compulsory Education in the Ottoman Empire
Project/Area Number |
16K13538
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
長谷部 圭彦 東洋大学, アジア文化研究所, 客員研究員 (60755924)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 義務教育 / オスマン帝国 / イスラーム / 東洋史 / 教育史 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成31年度/令和元年度は、英語論文を執筆しつつ、国内のシンポジウムで二度報告した。また、前年度までに執筆した論文一篇と小文二つが刊行された。英語論文は、本科研のテーマであるオスマン帝国の義務教育に関するもので、トルコ人研究者との英文論集に掲載される予定であり、すでに刊行助成金の交付も決定している。小文の一つは、教職課程の教科書において「イスラーム地域」の教育を紹介するものである。それ以外の研究成果は、本科研とは直接の関係をもたないが、いずれも今後の研究の基礎となるものである。他方、トルコにおける資料収集および英文論集の打ち合わせは、新型コロナウイルスの感染拡大により、中止せざるを得なかった。 四年間の研究期間を通じて、刊行・未刊行の史料を収集し、いくつかの論文と小文を刊行した。とくに、オスマン史研究の国際的な雑誌であるThe Journal of Ottoman Studiesに掲載した、同国の教育行政法に関する英語論文と、かつての所属先の紀要に執筆した、オスマン帝国の学事統計史料の紹介は、義務教育研究の基礎となるものである。そして本科研の総括として、上記の英語論文を刊行する予定である。しかし、オスマン帝国およびその後継諸国家において義務教育がどのように定着していったのかという最重要の課題については、なお不明な点を多く残した。日本教育史の共同研究(科研費基盤研究B)にも参加し、日本の事例も参照したが、書き言葉と宗教が相対的に均質な日本と、まったくそうではないオスマン帝国とでは、共通点よりも相違点が目立つこととなった。
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Research Products
(6 results)
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[Book] 教育原理2020
Author(s)
木村元、汐見稔幸、長谷部圭彦
Total Pages
288
Publisher
ミネルヴァ書房
ISBN
9784623088133
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