2017 Fiscal Year Annual Research Report
Follow-up survey on educational choice of high school students
Project/Area Number |
16K13545
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 翔 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (60609676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 渉 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (00403311)
古田 和久 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (70571264)
多喜 弘文 法政大学, 社会学部, 准教授 (20634033)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 教育機会の不平等 / 進路選択 / パネル調査 / 高校生 / 母親 / 格差・不平等 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,2012年に行われた「高校生とその母親の意識に関する全国調査」の追跡調査を2016年に行い,1,070世帯のうち778世帯からの回答を得た(回収率72.7%).追跡調査では母親を対象としており,それによって子どもの進学情報や母親が抱く意識の情報そして家庭の社会経済的状況を把握する事が可能となっている.回収された世帯についてどのような偏りがあるかを検討する分析を行った結果,(1)母親が子どもに希望する進路が高校までであったり,母学歴や父学歴が低い,そして母子家庭であったりと,家庭の社会経済的状況が不利であると回収しにくい傾向,(2)自由回答や世帯収入・預貯金に回答しないと,回収しにくい傾向,(3)高校生本人の状況(性別,高校タイプ、進路希望)と回収は関連がないことが明らかになった.つまり,子どもの進路や高校タイプと回収率は関連がないが社会経済的要因は子どもの進路のフォローアップに影響してくることが明らかになった.その上で,このような偏りを修正するウェイトについての検討を行った. 追跡データを用いた分析からは,第1波における進路希望の分布に対し,実際に進学した進路をみると,大学が少なく短大や専門学校がやや多くなっていた.また,短大や専門学校では中退者が多く,特に後者は2年以上就学する割合が多いため,同じ教育機関に進学した者の中でもその後の進路の多様性が大きいことが明らかにされた. さらに,高校2年当時の進路希望と実際の進路を比較したとき,母親の希望や家庭の経済状況(世帯収入)が高収入家庭は進学に,低収入家庭は非進学というようにその変化に有意な影響を及ぼしていた.
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Research Products
(2 results)