2018 Fiscal Year Annual Research Report
Educational significance of learning cooking as culture
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16K13562
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Research Institution | Aichi University Junior College |
Principal Investigator |
須川 妙子 愛知大学短期大学部, ライフデザイン総合学科, 教授 (40342125)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 女子教養 / 外国人居留地 / 西洋料理教室 / 非体系化 |
Outline of Annual Research Achievements |
近代以降の日本の女子教育の中で、教育機関外において料理を習うことの始まりとその展開について明らかにした。明治期の地域の生活文化が垣間見られる地域新聞の分析により、その嚆矢は明治末期の神戸、長崎の外国人居留地近辺での西洋料理の個人教授にあり、体系化されない自由な学びのかたちが展開されていた。料理を習うことを軸として、その周辺事項(外国語、室礼、マナーなど)へ学習者の関心が広まることに応じて、講師もその要求に応える形で講習内容を創意工夫していた様子が明らかになった。大正教養主義と称される一般大衆の教養志向は、女子においてはその嚆矢が明治末期には芽生えていたことになる。教育機関における女子教育は東京を中心とした地域で早期に展開されていたことが諸研究によって明らかになっているが、自由な形による教養教育としての女子教育は神戸および長崎において先行していたともいえる。 最終年度における研究成果は、第12回国際日本語教育及び日本研究シンポジウム(2018年12月8日、於:香港理工大学、演題「日本人の異文化の学び方に関する一考察ー明治末期の西洋料理教室を例としてー )にて口頭発表を行い、他文化圏の研究者からも「日本の」女子教育の特徴として評価を受けた。本研究の最終報告書として、『女子が教養を身につけるときー明治末期の日本における「料理を習うこと」を例として』を冊子体で作成し、本研究での史資料提供を受けた図書館や研究所、学会発表等で助言を受けた研究者へ送付した。図書館、研究所、他大学での閲覧可能な図書資料として提供したことで、本研究の成果が広く公表される形をとることができた。
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Research Products
(2 results)