2017 Fiscal Year Research-status Report
アイヌ文化を取り入れた系統的カリキュラムと地域教材の開発~大量消費社会への挑戦~
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16K13564
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
諫山 邦子 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (70167732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 健 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (30374755)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アイヌの生活文化 / 系統的カリキュラム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、カリキュラム研究の対象校であるエフィコクリン中高等学校と研究協力を得られているアメリカ合衆国・アラスカ大学フェアバンクス校とエフィコクリン中高等学校、ビーバー小学校、およびカナダ・ブリティッシュコロンビア大学を8月に訪問し資料収集を行った。更に帰国後は、教材開発に向けて討議を重ねていった。 エフィコクリン中高等学校、ビーバー小学校では、現代に生きる先住民の協力のもとに、疑似体験ではない、本物の追体験をする中で、子どもにとっては多くの学びが保証されるカリキュラムの哲学にもとづいた、実践が行われていることを確認することができた。使用される教材は、先住民の文化や知恵が系統的に配置され、先住民の生活文化を通した体験活動は「豊かな人間性」「自ら考える力」などの基盤となり、子どもの確実な成長の糧となりうることが確認できた。ビーバー小学校では、同行したアイヌの若手リーダーによる試行授業を行わせていただき、現代の大量消費社会がもたらした弊害について理解し、真の豊かさに関わる「自然と共存する」より良い生活(オルタナティブ)を創り出していこうとする内容を盛り込んだ、アイヌの生活文化に関わる取り組みを行った。 帰国後は、数回の研究会を重ね、海外での専攻事例・研究に範をとりながら、また、千歳小学校をはじめとする我が国の取り組みを中心に我が国のアイヌ生活文化を生かす系統的カリキュラムを作成していった。 次年度の日本の先住民族であるアイヌ民族を中心とした系統的カリキュラムを提示することへ向けて、北海道教育大学附属小学校、白糠小学校、白糠中学校、山花小中学校での試行授業のための打ち合わせをはじめ、標津、阿寒、白糠地区のアイヌ民族の参画を含めた検討会を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の目標である、前年度の予備調査を受けて、比較対象とする民族の資料収集と分析を行い、各教材開発を進め、それらを系統的に配置したカリキュラムの試案を作成することが行われたからである。
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Strategy for Future Research Activity |
アイヌ民族の協力のもとに行われた教材開発をもとに、小学校、中学校での授業を実践し、問題点を明らかにするとともに改善を行い、アイヌ民族を中心とした系統的カリキュラムを提示することを進めていく。
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