2018 Fiscal Year Research-status Report
アイヌ文化を取り入れた系統的カリキュラムと地域教材の開発~大量消費社会への挑戦~
Project/Area Number |
16K13564
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
諫山 邦子 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (70167732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 健 都留文科大学, 教養学部, 教授 (30374755)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | カリキュラム / 先住民族 / 大量消費社会 / 授業 / オルタナティブ |
Outline of Annual Research Achievements |
3年間の研究のまとめに当たって、2年間のそれぞれ研究代表者、研究分担者、研究協力者の実績についてもちより、以下の観点から相互評価を行った。①系統的カリキュラムの策定 ②国外の調査研究について、特に社会科学部門(コミュニケーション不足地域教材化) ③国内の調査研究について、特に自然科学部門の地域教材化担当 ④先住民の文化・生活様式の比較検討にかかわる調査担当 ⑤アイヌ民族に対する調査のコーディネート ⑥附属釧路小学校を中心としたカリキュラムの策定と施行授業。 3年目の研究計画のカリキュラム策定や施行授業に当たって、以下の点を確認した。 1.先住民の生活文化を学ぶことを「過去の遺産」の継承とみなすだけでなく、現代大量消費社会に対するオルタナティブととらえ、子ども達が先住民族の文化様式の追体験活動をする中で、子どもに多くの学びが保障されること。2.教材カリキュラムの開発に当たって、先住民の参画を推進すること。3.実施地域の先住民の協力のもとに、疑似体験ではない、本物の追体験活動をする中で、あるべき次代の価値観を構想する主体の育成を目指す原理へ発展させること。4.先住民にとっては、生活文化の維持・継承とともに、現代の生活様式を前提とした伝統文化の新たな発見への結びつきを意識すること。以上の4点に立って、附属釧路小学校での施行授業を2回行うことができた。 釧路市の教科書の副教材としての検討を始める時期であり、あらかじめ提示された原案について、記載個所を丁寧に検討するメール会議及び、合同での会議を重ねて、記載事項の誤りや記載内容の訂正提案を行い、副教材としての先住民族の文化や知恵を掲載することにより、「豊かな人間性」「自ら学び考える力」などの基盤となり、子どもたちの現代的課題(コミュニケーション不足や社会性の欠如)を解決するきっかけとなりうるような意図を入れた協働作業を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究分担者の職場の異動、および、異動先での重職担当。 研究協力者の同居する母親の2018年12月における死亡。 研究協力者の父親の2017年12月の死亡、および母親の2019年1月の死亡。
上記3点の事由により、3年目の研究が滞っております。
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Strategy for Future Research Activity |
延長1年間申請をし、認可をされたので、引き続き研究を進めていくこととする。
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Causes of Carryover |
研究分担者の職場の異動、および、異動先での重職担当し、さらに研究協力者の同居する母親の2018年12月における死亡。 研究協力者の父親の2017年12月の死亡、および母親の2019年1月の死亡。
上記3点の事由により、まとめの30年度の研究がとどこおり、31年度(令和元年度)には、試行カリキュラム・授業の改善修正を行い、系統的なカリキュラムを完成させる。このカリキュラムを報告書として出版し、アイヌ文化の継承・発展と現代社会の消費生活に対する振り返りも含んだ初等教育資料として関係各所へ頒布する。
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