2017 Fiscal Year Research-status Report
障害を持つ子どもを対象とした主権者教育(=法教育)のプログラム開発
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16K13572
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
橋本 康弘 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 教授 (70346295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野坂 佳生 金沢大学, 法学系, 教授 (70377422)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 法教育 / 特別支援学校 / プログラム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、障害を持つ子どもを対象とした主権者教育としての法教育プログラム開発にある。これまでの日本の法教育研究は、 健常児を対象としたものが主であり、障害を持つ子どもを対象としたものは、ほとんど行われていない。しかし、障害を持つ子どもも 「かけがえのない主権者」である。主権者教育の重要性が叫ばれている昨今、障害を持つ子どもに焦点を当てた主権者教育=法教育のあり方について検討していく必要があるだろう。以上のような問題意識から、本年度は、以下のような研究を行った。 (1)障害を持つ子どもたちに対する「ルールや法」「主権者教育」に関する調査、 (2)障害を持つ子どもたちを対象にした主権者教育=法教育の授業開発・実践、(1)については、関本祐希氏や岐阜大学附属学校への質問紙調査を行った。(2)については、第二東京弁護士会所属弁護士及び東京都立江東特別支援学校の協力を得て、2017年5月10日、6月12日、7月31日、8月31日、10月10日、11月2日、11月22日、2018年2月15日において、「弁護士と研究代表者等による授業開発及び検討」「弁護士と研究代表者等と学校現場を交えた授業検討」を行った。そして、2018年3月7日に東京都立江東特別支援学校において、「バスケットボールのコーチを選出する」ことをテーマにした研究授業を行った。本授業は、知的障害をもった子どもたちを対象にした授業であり、バスケットボールのコーチ候補者を数名設定し、コーチを選ぶために必要な情報を生徒に考えさせる授業を行った。その様子は、毎日新聞「知的障害者、選挙に意識高め 福井大教授ら東京の特別支援学校で 班で候補者選択、生徒同士で議論も」2018年3月18日地方版や、日本教育新聞「弁護士による法教育」2018年3月26日に掲載されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、特別支援学校に対する「ルールや法」「主権者教育」に関する調査を未実施であったが、本年度はそれを実施できた上に、更に、本年度予定していた特別支援学校における主権者教育=法教育プログラムを開発し、実施できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、実施した授業における生徒の発言を含めた分析を進めるとともに、開発した授業の汎用性を確かめる研究及び別のプログラム開発を行っていく。
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Causes of Carryover |
開発した授業を他の学校でも行うための費用や、他のプログラム開発を進めていくための費用が未使用であり、次年度は、プログラム開発に資するため、先進的な取り組みを行っている海外における実情視察を行うために旅費を使用する他、前述した授業開発等のための打合せを行うために旅費を使用する予定である。また、プログラム開発に関わる文献の購入等を行う予定である。
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